※ この記事は,2019年に書いているものです。
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各科目の合格者平均点
データを扱う上で頼りになるのは公式発表の数字だ。
学校のホームページで発表されている,各科目の合格者平均点をグラフにすると,次のようになる。
注意すべきは,国語算数の満点が40点,理科社会の満点が30点であること。
各科目の得点率
前述のとおり,科目によって満点が異なるので,百分率すなわちパーセンテージに直したものを以下に掲載する。
直近の2019年度入試に限って言えば国語社会が9割,理科が8割,算数が6~7割といえるが,局所的に見ず,視点を広くとって眺めたほうが良いだろう。
この11年分をまとめてみると…。
国語は9割前後。
算数は年によってバラつきが大きいこと,1問の配点が大きいから一概には言えないが,7~8割だ。最近は難化傾向にあるので,もう少し下げても良い。
理科は8割前後。
社会は全体としてみれば8割前後だが,徐々に平均点が上がっており,今は8~9割となっている。出題のされ方が独特なので,以前と比べれば対策が進んだことも要因として考えられる。
まとめると,国語9割,理科8割,社会8割で,算数はブレがちだが7~8割といったところ。
各科目の目標点
改めて点数に直す。
以前勤めていたときには,私は次のようにアドバイスしていたことがある。
国語 38点,算数 32点,理科 27点,社会 23点,…合計120点。
だが,入試傾向の変化にも敏感になるべきだろう。
理科社会の対策が進んでいること,算数が難化していることを加味して配分するべきだ。
さて,以前記事にした「合計点120点」を目標として考えと…
国語 38点,算数 28点,理科 27点,社会 27点,…合計120点。
このあたりを目標とすれば,ちょうど合計120点となる。
注意したいのは,「点数を取りに行くテスト」というより「ミスをなるべく少なくするテスト」であるから,ミスできる点数に直すと以下。
国語 2点,算数 12点,理科 3点,社会 3点,…合計20点。
こういったかたちになる。
算数が得意な子であれば,算数の目標点をもう少し引き上げることができるし,他科目にももうちょっと余裕ができる。
全科目まんべんなく目標点を目指せるレベルで,さらに算数が得意であれば盤石となるだろう。
最後に,入試傾向は事前に公式に告知されているわけではなく,あくまで過去のデータをもとに分析したものだ。
急に入試傾向がガラッと変化することも考えられるし,そうなったときにも「いつもと違うから」と慌てないようにすることも大切だ。
むしろ入試傾向が変わったときは,「周りの受検者も全員焦っている」ということを考えれば,「周りの受検者が焦っていることに気付いている分,自分のほうが落ち着いてやれる」と意識することができるだろう。
来年度入試の要項の発表が楽しみだ。