(写真は2004年,北海道大学が台風の被害に見舞われたときに撮影したもの。なつかしい。)
教育ネタをちょくちょく引っ張ってくる。
中学生の正答率に衝撃
つい最近,『8人に4Lのジュースを分けると,1人あたり何Lになるか?』という問いの正答率が低いことが話題になった。
こういう話題が出るたびに,『問いに真剣に向き合っているか?』の差が大きいのではと考えてしまう。
【立方体の2本の対角線、どちらが長い?】中学生の正答率に衝撃…算数・数学の間違いを直せない子どもたち
↑ニュース記事。
記事によれば……。
基本的な割合の出題に対して,小学生の正答率が34.3%──およそ3分の1。
10%の食塩水をつくるのに必要な食塩と水の量に対して,中学3年生の正答率が52.0%──およそ2分の1。
↑は1983年に正答率およそ70%だったものが,2012年におよそ50%になったよう。
このレベルの問題に正答できないというのは,平均的な学力がどうなったかというより,二極化がどんどん顕著になってきているのではないかなぁと,そんなことを考えている。
すなわち,子どもが身を置く環境について,きちんと学力がインフレしてくれる環境に居るか否か。
いま,数学で目の前の子どもたちを見ているけれど,地域の公立中に進学した子と一貫校に進学した子で,学力の差が大きく開いてしまうことを如実に感じている。
地域の公立中であれば,校内で上位になることは易しくなるけれど,言葉は悪いが『井の中の蛙』状態であり,国公立大学に進学するような子たちとのギャップはあまりに大きい。
もちろん,どのような教師が担当するか,同じ学年にどのような子が揃っているかによって環境は変わるが,科目によってはそもそも授業が成立していないような状況になっている実情を聞くこともある。
人は人。自分は自分。──と孤高にやってゆければ良いのだが,そういったタイプの子は稀で,さらに『浮いているから』という理由で難癖をつけられる環境に居れば,本人の力ではどうしようもない場合も。
『勉強だけが全てではない』という声も聞くが,『勉強ができる子は勉強だけができるわけではない』んですよね……。
『学び方を知っている/経験している』『教養を得る機会を多く得てきた』等々。
マスコミはいかにもな『がり勉タイプ』を面白おかしく扱うことがあるが,これは大衆受けが良いからだろう。
有名大学の文化祭にでも赴いてみれば分かるが,学力的なこともそれ相応にできれば,その他のことでも様々な活躍をしている。
同じコメントを何度かいただいたことがある。
『塾で習ったことがいま役に立っています』というもの。
まさに今年度中学に進学した子も含め,ずいぶん前に指導した教え子からも。
入試の合否自体もとても大切なことだけれど,中学受験の勉強を通して得られるものはあまりに多い。
そう思う。
(まぁ,そう思っているからこそ,自分の得意分野で子どもたちの助けとなる仕事をしたいと考えてこの仕事をしている。)