脳科学。
新しい単語を学ぶとき「すぐ声に出す」のはよくないと判明!
↑元記事。
調査にあたってはまず、300人の被験者たちに対して新しい12個の単語を4つの方法で学習してもらいました。
1つ目の方法は、たた聞くだけ、2つめの方法は聞いた直後に声に出す、3つ目の方法は聞いてから2秒後に声に出す、4つ目は聞いてから4秒後に声に出す、というものでした。
被験者たちは上記の4つの方法のいずれかで12個の単語について学習し、翌日に知覚学習の効果(単語を正確に聞きわける能力など)が確かめられました。
結果、新しい単語を聞いた直後に声にすると、単に聴いていただけに比べて学習の混乱が起こることが判明します。
一方、単語を聞いてから4秒間待ってから声に出すことで、このマイナス効果が相殺されることが判明しました。
↑実験内容。
「この頭を巡らせる」という過程こそが、脳にとって情報を咀嚼し理解(エンコード)する過程であり、学習効果を増加させる鍵となります。
研究では、この重要な瞬間に単語を無理矢理に声に出そうとすると、限られた脳の認知リソースが分割され、単語の理解(エンコード)が妨げられてしまうことが判明。
認知リソースの分散は結果として「二兎を追う者は一兎をも得ず」な状況を作り出し、最終的な学習効率を低下させていました。
一方、新しい単語を聞いてから4秒ほど待って声に出す場合、認知リソースの分散や学習効果の低下が起こらなくなっていることがわかりました。
↑考察。
教育現場では,『授業に気を向かせるため』という名目もあり,『声を出させる』と言う場面は多い。
学習において知覚・認知という段階は大切なものではあるのだけれど,管理者からはそれは認識できない。
アウトプットされたもの,すなわち『発されたもの』『記述されたもの』は認識できるが,話を聞いているのかいないのか・考えているのかいないのかといったことは,推測することしかできないということ。
ゆえに,「すぐ声に出す」を求めることも少なくない。
それにしても本記事の研究結果は私にとって意外であった。
今後も最新の脳科学情報を取り入れながら目の前の子どもたちの教育に活かしてゆかねば。