【本】進化しすぎた脳

Posted on 2021年5月15日【本】進化しすぎた脳 はコメントを受け付けていません

GW中にバッチリ読むことができまして。

「進化しすぎた脳」

10年以上前のタイトルだが興味深い内容が多く,どんどん読み進めてしまった。

私自身,精神・心理に強い関心を持っているため,どうしても脳科学への興味も高いもので。

本書は著者が「中高生を相手に講義したときのもの」をベースとして,そのときの質疑もはさみながら展開してゆく。

そのため,専門家でないものが読んでも分かりやすくなるような表現に努められており,とても読みやすかった。

大きな章は以下の5つ。

・人間は脳の力を使いこなせていない。

・人間は脳の解釈から逃れられない。

・人間はあいまいな記憶しかもてない。

・人間は進化のプロセスを進化させる。

・僕たちはなぜ脳科学を研究するのか。

「~ない」が多く,なんて否定的な…という意見もあるかもしれないが…。

可不可,それから無意識に行われることについて正しく認識しておくことはとても大切だと考えている。

それを認識することにより,ふだんの日常生活などさまざまな場面で「自己認識」「自己管理」をすることに役立つし,さらには「社会認識」「人間関係管理」にも役立つ。

脳のはたらきについて知ることは,その根っこの部分でもあるといえる。

細かいトピックの中では,↓のようなものなどは,キャッチーで面白いかもしれない。

「質問に答える2秒前から、正解か不正解かがわかる」

無意識に行っていることや,無意識に思考していることについて認識することは,考えているよりもずいぶん難しいもの。

「認識しよう」と努めて初めて認識できることも多い。

こういった書に関しては,「何が良かったのか」を具体的に説明するよりも,自身の内に浸透させてゆくものだと考えている。

単なる受け売りとするものでなく,自身の中の知識や思考と融合させ,昇華させてゆくものだろう。

この本に出会えてよかった。

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