結局,無料分から先まで読み進めた。(ドラマも観たい…。)
「二月の勝者」
内容は「中学受験」。
関東周辺の入試について明るくないため,学びも兼ねて読んだもの。
「馬を水場に連れて行くことはできても,水を飲ませることはできない」といった内容,つい先日私も使ったことがあり,「塾講師は誰しも思ったことがあるのかしら…」と思うなど。
「すでに完結している」と聞いて読み始めたものの,「完結していませんでした」。
先日の記事で誤った情報を流してしまい,スミマセン…。
(「え?してないけど…?」と思いながら読まれた方もいらっしゃるのでは。)
ともあれ,今回読んでいく中で感じたのは,「中学受験のイントロダクション,チュートリアルとしてちょうど良い」ということ。
たとえば「保護者の役割は,子どもの健康管理などの生活面である」とか,「保護者にこそ,自身のメンタル管理をしてほしい」とか,そういったこと。
話はかわるが,以前,第一志望が広大附属福山中であるにも関わらず,通いもしない全国に名の通った学校の対策を優先する方が居た。
当時私は「なぜ?」「合格可能性は十分あるのだけれどまだ足りないのだから,その時間に第一志望の勉強をすべきなのでは…?」としか考えていなかった。
あくまで推測だけれど,今になって思うのは,「落ちる可能性があるのだから,落ちたときに『○○中(某有名中)に合格する実力があったのに落ちた』と言えるよう,全国に名の通った中学の勉強を優先した」ということだったのかなぁと,そう思う。
広大附属福山中は,どれだけ学力があっても,縁がないときには受からない。
4科目のうち,どの1科目でも落としたらほぼ不合格になってしまう学校だ。
付け焼き刃の科目があれば歯が立たない。
また,学力は実際にはグラデーションのようなものだけれど,中学受験の合否は「0か1か」といった不連続かつ2つの結果しかないもの。
(まぁ,細かいことを言えば追加候補もあるけれど…。)
どれだけ学力があって,実力的には受かるレベルであったとしても,不合格だったときには,事情を知らない方からは「箸にも棒にもかからない不合格」と同じように「不合格の実力しかない子」と見なされる。
それが耐えられない。
こういった心情はよくわかる。
塾講師は人生の最後まで責任を持つわけでもなければ,家庭の事情に踏み込めるものでもない。
できるのは,「提案」といったことくらいだ。
「合格するためにはこれが必要なのに…」という思いがあったとしても,それは単なる講師のエゴというもの。
たとえ押し切って指導したとして,可能性を高められるだけであり,確実に合格するとも言い切れない。
あくまでサービス業なのだと感じたできごとであった。