【国語】句点の付け方の変化

Posted on 2023年9月28日【国語】句点の付け方の変化 はコメントを受け付けていません

これが新時代か……。

句点の付け方の変化

SNSで見かけたもの。

https://x.com/naotaka007/status/1705913355071094973?s=20

かなり歳下の方にLINEで「怒ってますか?」と聞かれて、理由を聞いたら、「全部に句点がついているか」と言われたことがあります。「全く怒ってないですよ。おっさんなだけです」と答えました。

LINE等のSNSやSMSの普及により,短い言葉の往復が増えた。

『リアルタイムの会話=口頭のみ』『テキストコミュニケーション=手紙やハガキ』といった時代から,『リアルタイムのテキストコミュニケーション』が当たり前の時代になった。

細かい話をすれば,パソコン通信,インターネットが普及したころからチャットや電子掲示板は存在していたものの,あくまでPCを日常的に使用する人たちとそうでない人たちに断絶があったもの。

また,リアルタイムでなくともテキストの形で言葉を発する・伝言を残しておくといったことが日常的になった。

『機械オンチだから……』といって機械を遠ざけていた人たちも,スマホは普段使いする人が増えたのではなかろうか。(使い方や程度はそれぞれに。)

こうして短い言葉の往復が増えたことにより,書籍とはまた違ったかたちで,『テキスト情報で感情を伝える』『テキスト情報で感情を読み取る』といった文化が生まれたのだろう。

つい先日も,『若い人たちは「!」を敬語として使っている』といったことが話題となった。

試しに使ってみよう。

・よろしく。

・よろしく

・よろしく!

・よろしくお願いします。

・よろしくお願いします

・よろしくお願いします!

・そうなんですね。

・そうなんですね

・そうなんですね!

いかがだろうか。

テキストでコミュニケーションをとった人ならなんとなーく分かるかもしれないが,確かに句点『。』で終えると『ここで会話を切ります』といった意図が入っている可能性が含有される感じがある。

(私の言語化が適切でないかもしれないが……。)

これが,書籍のような『著者』『読者』の関係とは違う点であり,対話である点だろう。

また,『!』で終えると『知りませんでした!』『勉強になります!』『がんばります!』のような意図が含有される感じがあり,確かに対話相手を敬っている雰囲気を出せる場合が少なくない。

(これも私の言語化が適切でないかもしれないが……。)

句点の付け方の変化との付き合い方

とはいえ,対話ではなく『書籍』『論文』『作文』を書く場合には,その作法で書く必要がある。

すなわち,現在行われているペーパーテストでは,『採点者』に対して一方的に記述する『筆者』として書く必要がある。

対話の場合,日本語の使い方がおかしかったり,情報や前提が不足していても,『聞き手が問い返す』ということが可能であるが,ペーパーテストの場合はそうはいかない。

抜かりなく書く必要がある。

今回記事にした『句点』をはじめ,さまざまなものごとについて,作法に則って書く必要がある。

対話の場合,作文の場合等,位相により使い分ける必要があるということだ。

(まぁ,社会に出れば何事も文化・地域・場によって使い分けるのは当然なのだけれど。)

私は立場上テキストの往復でも『句点』を付けて対話します。

機嫌の悪さによるものではなく,今のところ古(いにしえ)の作法のままでゆくと決めているに過ぎない。

いま,目の前の子どもたちを見ていると,自身の思考を言語化してテキストのかたちで,また読み手に伝わるかたちでアウトプットする機会はそう多くないのだろうなぁと感じる子が少なくない。

これについて学習機会を提供するのも,塾のひとつの役割なのだろう。

(締め方が宣伝か。)