これはもしや……?
CO2回収サブスク
CO2回収サブスク賛否 手がける村木風海さんの主張と専門家の批判
↑元記事
高校で科学を学び,大学で工学を学んだ者であれば,こういった記事はまず批判的に読まねばならない。
『非難』ではなく『批判』である。ネガティブな意ではない。
科学・工学は生活を便利に豊かにするものであるが,その反面理論が間違っておれば人の命を奪いかねないものである。
ゆえにエンジニアは工学倫理を学習し,他者の健康や命を損ねるような場合は利益を捨てたフォローが必要になる。
もし科学モドキ,いわゆる似非科学を利用した商売を見かけたならば,それに対して非常に敏感なのが理系だ。
今回ポイントとなるのは以下だろう。
化学が専門で、問題点をXでも指摘している山下誠・名古屋大教授は「(水酸化ナトリウムの溶けた)アルカリ水溶液にCO2を吸わせているだけ。アルカリ水溶液を作るのに出てしまうCO2より少ないCO2しか吸収できない」と説明する。
要するに,局所的にCO2を減らすことは何ら役に立たないし,むしろCO2の総量は増えているのだから単なるマイナスである。
これがエアコンなどのように局所的に温度を調整するメリットがあればまだ役立つのだけれど,繰り返すがCO2を局所的に減らすことには意味が無い。
CO2削減は地球温暖化対策として行われているものであり,局所的に削減しながら総量を増やしているようではそれはマイナスである。
これに対するサブスク提供側の反論は以下。
同機構の村木さんは、装置全体の製造からリサイクルまでを含めたCO2排出量について、「部品点数が多いのでまだ計算が終わっていない」と説明する。
「科学の尺度だけで計れないビジネスの話をやっているので、科学界からの批判はあるかもしれないが、そうやって研究停滞させてたらいつまでも何も解決しない」と主張する。
科学ではないのであれば科学者風の装い科学の顔をするのはやめ,『これは科学ではない』とハッキリ断言した上で活動すべきだろう。
この人がやっているのは経歴を利用したビジネス()である。
数字はウソをつかないがウソをつく人は数字を使うとか,科学風を装う人は意味の無いエビデンスをさも意味ありげに用いるとか,こういったものごとには敏感に反応してしまう。
当ブログでは『血液クレンジング』や『クレベリン』といった似非科学をとりあげてきたが,これもそのひとつになりそう。
名称なんだっけ……。『ひやっしー』……。