広大附属福山中入試雑感 ~2025

今年も今年とて漢字が的中しました。(YATTANE!)

算数の問題

毎年,浜田塾様にて,浜田先生がご自身で打ち直したものをwebにupされている。

今年も当日にはupされていた。

当該サイトの入試問題集の項にて。

(掲載許可済。)

!注意!

当該サイトにも書かれている通り,『塾で過去問模試を受ける予定の方は,ここであらかじめ問題を見ないでください。合格可能性が正しく判定できなくなり,受験指導に影響します。』

受験指導のときに使える実際の問題は数が限られているため,なんでもない時期にやるのは,学習機会の大きな損失になる。

行う場合はプロの指示を仰いだ方が良い。

世間では模擬問題集などが販売されているが,模擬問題集の作成者は塾講師であり,学校の入試作成者ではない。

ゆえに出題意図等が大きく異なるため,あくまで模擬問題集であり入試問題ではない。

雑感

[国語]

文章は2題。

いずれも道徳観や他者理解,メタ認知を扱う内容で,今後の処世訓となる題材。

出典は以前記事に書いた通り『世界ぐるぐる怪異紀行』『学力は「ごめんなさい」にあらわれる』の2つ。

著者の人柄を読み取り,設問で問われていることに答える──といった流れも昨今の出題通り。

書き抜きの書き抜かせ方も昨今よく見られる意図そのままでもあったという印象。

言及したい点はあるのだけれど,後述の理由により今回は控えめに。

[算数]

昨年易しくなったものが,今年度はさらに易しくなったかなという印象。

難しかった頃よりも作成者の調整がうまくなったのかなという感じがある。

『難しい出題⇒作成者の力がスゴイ』と勘違いしやすいフシもあるが,対象を選抜するテストとして適切な難度とするならば,かなり的確な難度だったのではないか。

5年前あたりの出題では(合格者に)満点がいない年も頻度が高かったが,今年は満点が結構居るだろうことが予想される。

[理科]

教科書の基本内容ばかりで,満点が続出しただろうことが予想される。

上位層ではほとんど差がつかなかったのでは。

水溶液の問題では早速重そう水が出題され,最新の学校教科書を参考に作られていることがよく分かる。

[社会]

教科書内容がベースではあるものの,難しい問題と易しい問題がIIKANJIに混在していた。

5~6年内容を中心に3~4年生内容も出題されるという感じは変わっていないが,昨今は4年生で学習する都道府県にかかわる内容が増えてきたなという印象がある。

当日,会場からの帰りがけに保護者に『今年はライン高いと思います』と言ってしまったくらいには,算数が易しかった印象がある。

解いてみれば理科社会も特別難しい年ではなかったため,合格ラインはそのときの予想よりさらに高いであろうことが推測される。

具体的に推測するならば,合格者平均点は国語34-36,算数31-33,理科27-29,社会23-25あたりの点数になりそうだろうか。(注:単なる一個人の予想です。

これより高い可能性も充分あるなと考えている。

最近個人的に考えていることとしては,『攻略法』ともいうべき事項があまりに出回ってしまい,学力+攻略の熟知が合格条件になってきてしまっているかなと考えている。

果たしてこの状況は健全なのだろうか?と考えたときに,どうもそうとは言えないなぁとも思い。

これは私のこの塾ブログがそれに拍車をかけてしまったことも要因のひとつと考えられ,ちょっと今後は詳細については自粛したほうが良さそうかなとやや責任も感じており,今回の雑感についてはだいぶ端折って書かせていただいた。

今後も受験生を応援してゆくことには変わりないけれど,葛藤を抱える状況だ。

幸いなことに,2年後には『福山中等教育学校』として入試のStyleが変わることが予想されている。

攻略法を伝授することが中心の受験塾はやりづらいかもしれないが,非認知スキルやスキーマを身につけてゆくことを鑑みれば,現在の状況は不健全であると見ることもできる。

よって,これは良い機会になるのかもしれないなぁと,そう受け止めている。

子どもたちの学力的な成長やその目標は,機関への依存ではなく自立であると考えているため,時代に沿ったかたちになっていくのだろうという期待もこめて。