【本】最高の勉強法
タイトルは分かりやすいほうが良い,典型例。
最高の勉強法

11月の旅行時に読んでいた。
正式には『科学的根拠に基づく最高の勉強法』。
著者は安川康介氏。
科学的根拠と書かれているものの,科学的根拠のあるもの,筆者の実体験,筆者の考察──がまざっているため,読むときにはこの点に注意する必要がある。
それを加味しても,『学習』全般に関して大きく参考になる書籍である。
本書は大きく分けて4つの章からなる。
・科学的に効果が高くない勉強法
・科学的に効果が高い勉強法
・覚えにくいものを覚える古代からの記憶術
・勉強にまつわる心・体・環境の整え方
第1章で述べられている,科学的に効果が高くないと結論されているのに教育現場で推奨される勉強法が目につくかもしれないが,特に重要なのは,第2章だろう。
中学受験や大学受験などの長期スパン,広範囲の学習について,『分散学習』『アクティブリコール』が重要であること,なんとなーく分かっていても,つい目先の成果に目を向けがちな場が少なくない。
この書籍を読んで,自身の学習法が間違っていないことを確認するだけでも大いに参考になる。
不思議なもので,『実際に身につく』よりも『分かった気になる』『満足感を得られる』が重視される場はあまりに多い。
『忘れる前に小テスト』などの,『短気スパンで結果が出せた気になるもの』で振り回す学習現場も見かける。
失礼ではあるけれど,そういった小テストの点数を評価軸にする大人が多いから,学習塾の商売がそうなってしまうのもやむなしというところか。
『教育サービス業』における『サービス』の意が問われるところである。
ともあれ,広く『学習とは何か』について,ある程度俯瞰した視座で見られるようになる書籍として,読んで良かったな。




