【本】脳は世界をどう見ているのか
数ヶ月前に薦められた書籍をようやく読了。
脳は世界をどう見ているのか

副題は『知能の謎を解く「1000の脳」理論』。
原題は『A Thousand Brains: A New Theory of Intelligence』。
著者はジェフ・ホーキンス氏。
訳者は大田直子氏。
某高IQ団体のオンライン月例会において,AIが話題にのぼったときに,とある話者がオススメされていた書籍。
こういうきっかけをたくさんもらえるから,会に所属しておいて良かったなと思う。
目次は以下。
第1部 脳についての新しい理解
古い脳と新しい脳
ヴァーノン・マウントキャッスルのすばらしい発想
頭のなかの世界モデル
脳がその秘密を明かす
脳のなかの地図
概念、言語、高度な思考
知能の1000の脳理論
第2部 機械の知能
なぜAIに「I」はないのか
機械に意識があるのはどういうときか
機械知能の未来
機械知能による人類存亡のリスク
第3部 人間の知能
誤った信念
人間の知能による人類存亡のリスク
脳と機械の融合
人類の遺産計画
遺伝子vs.知識
脳科学大好きおじさんの好きそうな話題が並んでいる。
第1章にある『古い脳と新しい脳』が通しテーマとなっており,脳の仕組みを知ることによって,AIについて考察することができる内容。
まさに脳科学の新皮質,皮質コラムの話題からスタートし,『脳とは何か』が分かりやすく述べられており,初学者にも優しい。
ただ,座標系の話題が出ていたので,中高の数学についてまだ慣れ親しんでいない子どもたちには理解が難しいかな。
最終的に宇宙の話題に辿り着いていたのだけれど,ちょうど直前に読んでいた池谷先生の書籍も宇宙の話題に辿り着いていたなぁと思い出す。
が,その方向性については私にとって関心の外だったり前提が違ったりして蛇足感が出てしまった。
ピークエンドの法則でいうとエンドが微妙だったのがややザンネンかな。
ともあれ,読み返したい内容もたくさんあり,面白い書籍だった。