【国語】読解問題の取り組み方

難しい問題。

読解問題の取り組み方

『ともや先生は本文から読むように指導しているけれど,(とある授業で)設問から先に読めって指導を受けました。どっちに従ったら良いですか?』

とある児童から受けた質問。

まずこの子が指導をちゃんと聞いていて,指示を仰ごうとするだけで素晴らしい。

私の回答は以下。

『本文から読む。その指導をした先生が間違っているわけじゃない。その先生はふだん中高生の指導をしているから,そのように指導したのだろう。私も中高生を指導するときにはそのように指導することがある。が,小学生の発達段階を加味して,本文から読んで。』

教育現場において,『どうしたら良いか?』という問いはよく受ける。

バシッと一律に回答できたほうがカッコイイし,分かりやすいし,支持を受けやすい。

けれど,発達段階によって最適解は異なるし,もっと個々に焦点をあてれば,国語力は同年齢でも何学年も差があったりして,日常の生活語彙や読書経験により大きな差がある。

これは私個人の見解だが,小学生の場合,先に設問を読んでしまうと本文の内容と誤答の選択肢の情報などがまざってしまい,本文を誤読する可能性が高まる。

また,読解に取り組むこと自体が,読解経験を積むことでなく小手先のテクニックを学ぶことになりかねない。

たとえ本文から読んでいてさえ,文章を読み慣れていない子たちにとって,本文に書いてあることとこうだろうと思い込んでいることの区別が難しい。

入試では小手先のテクニックが必要になることもあるが,読解に取り組んでゆく目的は,設問に答えることよりも,さまざまな文章を読むこと。

『読む』の含意も深く,もちろん字面を読むことではなく,書かれている内容,全体の概要,構成,さまざまな観点から読むことを,学んでゆく。

その中で,先に設問を読んでしまうことはノイズになる。

解答欄をチラ見しておいて,どのような出題がありそうか(選択肢問題や記述問題がどの程度ありそうか)くらいは眺めておいても良いけれど,中高生になるまでは,設問を先に読むのは控えておくことを勧めている。

文章を読むことができず,小手先のテクニックだけ,表層的にだけものごとを捉える読み方になりかねない。

読解力の差は人生のさまざまなものに影響する。

豊かな読書経験を積む前に紹介すべきものではない。

話はかわるが,以前も保護者から以下の質問を受けたことがある。

『音読はよくないって聞いたんですがどうなんですか?』

私の回答は以下。

『読書する場合には通常必要ない。音読の効果は,思い込みによる誤読や飛ばし読み,読めない語句・知らない語彙を,本人と周囲の児童,私が確認しながら学習するために行うもの。小学生の発達段階では,これを自覚する機会が少なく,またこういう場でないと自覚するのも難しい』

これも一律に必ずこうしたほうが良いといったものではなく,発達段階や,その場での目的を加味して何をするかを決めている。

ご家庭でもいろいろな言葉を投げかけてほしい。

ふだん日常会話を行う頻度の高い相手の語彙が,本人の語彙に直結するから。

『設問を先に読む』『音読をする』といった指導法は,それ自体に良し悪しがあるわけではない。

どの対象に,何の目的で行うかによって最適解が変わる,そういうものだ。

今回の2つの回答も,必ずそうしたほうが良いというものではなく,こういう目的で行っているからこうしたほうがよいという回答にすぎない。

教育に万能なテクニックはない。

万能なテクニックがあるならば,その結論が広く知られており,全教師がその指導法を行っているはずだけれど,そうなっていないのがその証左か。

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Posted by ともや