好き。
鳥人間コンテスト2022
https://tver.jp/lp/episodes/eph9z3f9ae
↑TVerで視聴できる。
「鳥人間コンテスト」とは,人力飛行機による飛距離や滞空時間を競う競技である。
私は詳しいわけではないけれど,いち視聴者として楽しませていただいている。
なぜ私は鳥人間コンテストが好きなのだろうか。
大きな理由は「無慈悲だから」だろうか。
仲間とともに長期間かけて設計・製作する人力飛行機。
これが力を出し切った上で着水に至ることもあれば,当日の天候・不慮の事故・ちょっとしたミスにより着水することも多い。
場合によっては明らかに個人の過失により失敗に終わることもある。
「力を出し切る」,これが尊いことは言うまでもない。
が,「失敗に終わる」,これも尊い。
TVであるのでドラマティックな背景を背負ったチームが意図的にピックアップされているのだろうけれど。
それでも,TV映りとしては素人のリアルが描かれている。
たとえ明らかな失敗に終わったとしても,仲間で讃え合う姿は観ていて目頭があつくなる。
本番までの労苦や努力といった背景は本番では見えないし,本気で取り組んだ上で儚く終わるチームも多い。
それも,本番の魔物とも言うべき「いつもはやらないミス」をしてしまったり。
知力による「設計」,器用さによる「製作」,協調による「協力」,技術による「運転」,持久力による「継続」,運による「天候」……これらがすべて揃った競技であるから楽しいのだろうと考えている。
私が鳥人間コンテストに関心を持つようになったのは,2011年大会の東北大学windnautsのフライトである。
あまりにドラマやアニメのセリフのような,まさに中二病らしい言い回しがとてもクセになる。
このときのパイロット中村拓磨氏は,この後ジョージア工科大学大学院で博士号を取得し,宇宙飛行士選抜に臨むそう。
日本国内では博士の社会的地位は低いが,世界標準では博士号はとても評価されるものである。
「英語教育を!」といった声がずーっと叫ばれているが,同時に「国内での博士号の待遇」についても社会全体で認識を変えていってほしいものだ。
社会に利益をもたらすはずの研究者たちが,冷遇により日本を嫌って海外で研究することに落ち着くことになってしまうのだから。