点数だけを見て分かることもある。
だけど,答案を見ないと現実的な問題点が分からないことが多々あるし,成績が停滞することにも陥りがちだ。
数字から分かること
点数,順位,偏差値といった数字は,一目見て分かりやすいし,話をするときに説得力が増す。
現状の自分の立ち位置を知るためには数字は大切だ。
だけど,数字だけを見ても「知識が足りなかったのか?」「問題の意図を読み取れなかったのか?」「テスト中の注意力が不足していたのか?」「時間が足りなかったのか?」など,「何をしたら次に生かせるのか?」は不明瞭だ。
「社会の点数を5点上げましょう!」と言ったところで,「そうすれば合格点に届く」といったことは言えるかもしれないが,「じゃ,どうやって5点上げるの?」という話だ。
そして「社会の勉強時間を増やしましょう!」と言ったところで,「どういった失点があったのか?」が分からなければ,「じゃ,どういった方向性で勉強するの?」となる。
正直,追加で勉強しなくても,ただ注意力を上げるだけで5点を上げられる場合もあるし,問題の読み方や「ここはよく読み間違いが起こる単元だな」と事前に知っておくだけで点数が上がることもたくさん見てきた。
だから,数字だけで分かることは,「現在の自分の位置」くらいのものだ。
答案から分かること
問題を解いていると,「ああ,ここで勘違いが多く起きるのだろうな」「ミスリードしてこの選択肢を間違えて選ぶ子が出てくるだろうな」というのは何となく想像がつく。
だけど,実際にどれくらいの子がミスするか?というのは,答案を見るまでは想像するのは難しい。
何年もやっていても,クラスごと,個人ごとにミスの傾向は異なる。
だから,解説授業をするときでも,必ず全員の答案を見てから授業を行うようにしている。
「どういったミスをしたか」を知って初めて「どうすれば次につながるのか」が分かるからだ。
問題の解き方を紹介するのは大切だし,解説するのは当然だ。
だけど,全員が解けている問題の解説に時間をとっても仕方がないし,むしろミスしている部分,ミスの仕方について注目し,どうやって本番でそのミスを防ぐかに時間をとったほうがよっぽど建設的であろうと考えている。
「失敗に注目すること」をネガティブだと思われるかもしれないが,目的は「失敗を責めること」ではなく「次に生かすため」であるから,ポジティブなことだと考えている。
まとめ
点数だけに注目したところで,パッと見の分かりやすさくらいしか良いことは無い。
問題と答案を照らし合わせ,どういったミスをしたのかに注目することで,未来に活かすことができる。