世代ごとの感覚のズレにはなかなか気づきづらい。
昨今の大学入試事情
気付けば高校生の指導から遠のいて10年が経過していた。
高校生の教育現場,それも上位層の多い集団に所属しないと感覚を維持することは難しい。
個人の体験談などを聞いたところであまりに情報が偏り過ぎ,木は見られても森が見られない。
肌感覚で知ることは難しいものの,専門的に情報発信をしている人たちの情報は参考になる。
(もちろん,これも情報に偏りのある可能性を片隅においておく必要がある。)
https://twitter.com/jyusouken_jp/status/1857262904871137545
首都圏高校からの進学者数(2012→2020)
北海道大学(361→583)
東北大学(375→620)
京都大学(244→365)
九州大学(61→129)
早慶に限らず、地方旧帝大も首都圏進学校出身者の割合が急増しています
(さらに多くは卒業後関東に戻る模様)
少子化にもかかわらず,地方旧帝大への進学者数は増えているようで。
すなわち,地方(首都圏以外)からの進学が難しくなっているということ。
”難しくなっている”の意味するところは,首都圏での大学入試に対応できる教育と,地方のそれとにどんどん開きが生じてきているということ。
見かけたものがどこへいってしまったかあやふやだが,先日『首都圏へ引っ越したけれど,公立中高で大丈夫だろうと思ったら考えが甘かった。上の子にも中学受験させてやればよかった』と後悔されていたPostを思い出す。
地方に居ると肌感が無いのだけれど,学力上位層の学習環境の差はやはり深刻。
弊塾は小学生対象で,しかも首都圏と比べるべくもない難度の地域ではあるけれど,やはり学校基準の学力と受験基準の学力との乖離の大きさを毎日のように感じている。
周辺の私立校の大学進学実績の話題になっても,(公の場ではこのような表現は好ましくないけれど,口頭では)『中学受験で入った子が主力です』といった話題になることもままある。
首都圏とは事情が異なるからこそ,地方は地方なりの,将来の選択肢の広さを確保しておくためにどの環境に身を置いておくか──は重要になりそう。
全国に目を向けるのは大学入試を視野に入れてからになることが多いものの,目を向けた頃にはもう自分から見ると雲の上になっているようでは間に合わない。
『08~23年度の15年間で旧7帝大の合格者に占める東京圏の高校出身者は11%から9ポイント増の20%に増えた。』
早慶の首都圏ローカル化が話題ですが、地方旧帝大でも東京圏の進学校出身の割合が急増してるんですよね。(特に東北大)
ここ数十年で難易度(実績)が急上昇したもの
・私立医大
・早稲田社学、文構
・都立高校
・渋幕、渋渋、広尾、豊島、聖光、洗足、西大和
ここ数十年で難易度(実績)が大幅下落したもの
・女子大全般、短大
・旧帝除く地方国公立(少子化)
・学附、巣鴨、桐蔭学園、武蔵、桐朋
・関学
・国家公務員総合職
関学が挙げられているが,関関同立という見方だとどうだろう。
高校生指導の現場が気になるところ。
まぁ,弊塾の中学数学指導では,大学入試を見据えた学力を想定して指導してゆく方針。
定期テストや高校受験といったローカル事情だけに振り回されるに終始せぬよう。