『おもしろい』と書きたいのだけれど,子ども向けだと『おもしろおかしい』的なニュアンスに読み取られそうな感もあり。
芦屋市長高島氏の議論が興味深い
【兵庫県立高校入試の評価は「内申点半分」。毎日学校に行ける生徒を前提にした議論でよいのでしょうか】
新しい知事との初めての「県・市町懇話会」。県幹部と市町長が意見交換する貴重な機会です。いつも財源が厳しいという話になりがちなので、今回も予算がかからないテーマを取り上げました。
それが、公立高校入試です。あなたはどう思われますか。当事者の生徒のみなさんの声も、ぜひコメントでお聞かせください。
■中学校の授業のあり方を決める、高校入試
実は、前回4月の懇話会での発信後、複数の中学校の先生から「高校入試が変わらなければ、学校の授業はなかなか変えられない」という声を頂きました。 これはまさに、学びの変革の大きな流れと、現実としての高校入試との間で、先生方が板挟みになっているということです。
もう少し具体的に説明します。
いま学校の教育内容は、「主体的・対話的で深い学び」を目指し、大きく変わろうとしています。中でも芦屋市では、「探究」を大切にしています。それは、自らの問いから学びを始める「探究」を通じてこそ、一人ひとりの学びへの意欲を引き出し、「ちょうどの学び」が実現できると確信しているからです。
現場の先生方は日々努力してくださっています。しかし、ネックになっているのが入試です。 前回も指摘したように、入試問題を見ても、残念ながら、探究的だとは言いがたい内容です(ここは多様な意見があると思いますが、現場からは、この入試では今まで通りの授業をせざるを得ないという声が寄せられています)。
芦屋市の公立中学校の生徒は、ほぼ全員が高校受検をします。ということは、高校受検の内容によって、中学の授業スタイルが決まりうるということです。
もう少し探究的な問題に変えていくべきではないかと、私は考えています。
■内申点50%。学校に毎日行ける子を前提にした議論になっていませんか
そして今回、特に取り上げたのが内申点についてです。兵庫県では、すべての高校入試で内申点の比率は50%。特に実技教科の割合が高い(5教科の約2倍の重み)のが特徴です。
この入試制度では、増え続ける不登校の生徒は、公立高校進学を諦めざるを得ません。県内の公立中学に通う不登校の生徒は2023年度で9937人。1万人が公立高校進学を諦めざるを得ない状況ではないでしょうか。
それ以外の生徒でも、内申点が半分を占める状況だと、日々の学校生活の中で、心のどこかで内申点をどうしても気にしてしまう状態に陥りやすいのではないでしょうか。 その教科本来の学び、活動の楽しさに浸るよりも、先生がつける内申点が気になる。そうなると、「主体的・対話的で深い学び」にはなかなか至らないのではないでしょうか。
もちろん、本番の点数だけで判断されるのはつらい、という声があるのもわかります。しかし、せめて、今後の目指す学びの方向性にそぐう形での高校入試改革を進めるべきだと考えます。あなたはどう思われますか。
知事からは、「内申点については、問題意識を強く抱いている」という心強い声もいただきました。保護者の方から直接課題を聞いたこともあるとのことで、今後の取組に大いに期待したいと思います。現場の生徒のみなさんも、是非声を届けていただければ嬉しいです。
■試験の内容は、学ぶ者への大きなメッセージ。
試験のスタイルによって、合格を目指す者の学びのスタイルは変わります。みなさんも、「試験対策」をした経験、ありますよね。試験が、学ぶ者への、そして学びを支える者へのメッセージになっているんです。
実際、学校現場が探究型の授業へ転換しようとしても、「入試に役立つのか」という問いとの狭間に立つことになり、結果的に入試を意識した授業とせざるを得ない状況です。 私は、今の試験に全く意味がない、とは思いません。ただ、新しい時代を見据え、小中学校での学びをより良いものにするため、工夫は不可欠だと考えます。それが22世紀を生きる子どもたちのためだと信じています。
入試は兵庫県教育委員会の担当。私ができるのは、問題提起までです。県教委の今後の取組に期待したいと思います。
■ゆっくり考えていると、こどもは卒業してしまうから。
確かに入試は、こどもたちの学びを大きく左右することであり、慎重に考えることも大事だと思います。でも、こどもたちは待ってくれません。ゆっくり考えているうちに、いまの中学生はみんな卒業してしまいます。
県と市、教育に力を入れるという想いは同じだと思います。県と市で異なる役割を担っているからこそ、県でしか解決できない点については、これからも現場の声を、対話を通じてお伝えしていきます。それこそが、「いま」解決しなければならないんだと理解していただくための、何よりの後押しになると考えるからです。
そのためにもぜひ、あなたの声を聴かせてください。コメントお待ちしています。
これは兵庫県の公立高校入試の話題ではあるけれど。
公立高校入試のシステム,特に内申点の扱いについては本当に難しい問題だなぁ。
私は塾講師とはいえ高校入試とはほぼ無関係の立ち位置だけれど,やはり保護者や学校の先生を通じてさまざまな話が入ってくるもので。
ルールを決める立場にある人たちのやりたいこと,現場の子どもたちの現状,そして現場の中学校の教師のやるべきこと……これらがうまくかみ合っていないのではと感じられることはちょくちょくある。
(『ちょくちょく』どころか『しょっちゅう』ですけど……という声も聞こえてきそうな。)
広島県はどうか。
数年前に学力検査と内申点に自己表現なるものが加わって比率が変更され。
内申点の学年ごとの比重が変わり。
選抜Iがなくなり。
変更があった場合,まずは上の学年の常識が使えなくなったりシステムに振り回されたりは当然なのだけれど。
変更する価値があるものだったのだろうか。
これに加えて福山市の公立中学英語では5ラウンドシステムを取り入れられ,さらに中学生の英語の実力がわけわからない状況になっていると聞く。
このたびの芦屋市長の話題はどうだろうか。
何より良いなと思ったのは,今回のテーマを議題にあげ,さらに『コメントお待ちしています』といった双方向にしており,なおかつ気軽にコメントを添えられる状態にしていることだろう。
繰り返しになるが,ルールを決める立場にある人たちのやりたいこと,現場の子どもたちの現状,そして現場の中学校の教師のやるべきこと……これらがバラバラになっていて教育が空回りになっているのではと傍目に見える場は多い。
これに中学生の思春期・反抗期による親子間の意思疎通も加えられるわけで。
高校入試に振り回されるのは大変そうだな…….。
(対岸の火事のように見守っているが,もちろん中学受験にもリンクしてくるものごとはたくさんあるだろう……。)