近大附属福山中 後期入試2020

Posted on 2020年1月19日近大附属福山中 後期入試2020 はコメントを受け付けていません

※ 具体的な学校に関する内容ですので,間違いなどございましたらご遠慮なくご連絡ください。

本日は近畿大学附属広島中学校福山校(以下,近大福山中)の後期試験

前期入試の結果

学校のホームページではまだ発表されていない(1/18土時点)が,受験者のもとへ結果は届いているようだ。

いろいろなところで結果を聞いているが,少数の意見では全容は分からないので,学校の公式発表を待つ。

本日,後期試験を終えた子が前期後期の問題・前期の解答・前期の概況を持参して補習に来てくれたので,ゆっくり眺めたい。

(ありがとう!)

前期試験の問題

前期試験当日,近大福山中の先生が「試験が終わるころに本日の試験問題をお渡しできます」とご丁寧にご案内してくださった。

試験問題を手軽にいただけるのは,大変ありがたい。

私自身が出題傾向を知ることができることはもちろん,今後受験する子たちの練習もできるからだ。

さて,内容の話へうつろう。

こういった書き方は「上から目線だ」と非難されるかもしれないが,塾講師として,作成されたテストについて所見を述べることはご容赦いただきたい。

近大福山中の問題について,塾講師の私が簡単に総合所見を述べると,「福山地域の受験生に向けた総合問題として,難度・内容ともに適切であり,良問である」ということだ。

私が塾講師として勤め始めたころは,「近大福山中の入試問題は,いかにも中学受験用の勉強が必須」といった出題が多かった。

特に理科・社会は顕著で,例えば,理科であれば「水酸化カルシウム」,社会であれば「魏志倭人伝」などの語句を書く問題があったり,「音」「光」など現行課程では学習しない内容も出題され,内容も受験用教材で学習することが必須だった。

しかし,私が塾講師をやっている10年程度の間に,「国語算数:理科社会=2:1」の傾斜配点になり,内容も小学校の範囲のものが増えてきたように感じる

作成の意図が変化してきているのだろうか。

思考力ではなく知識を問う問題に関しては,作成者は気を遣うことだろう。

なぜなら,「自分が知っているもの=易しい」「自分が知らないもの=難しい」となりがちであるから,ターゲットとする集団にとって何が易しくて何が難しいのかという判断が求められるからだ。

これから受験する集団が,どのようなものを「基本」と思っているか,どのようなものを「発展」と思っているかは,どういった指導を受けてきたのかを知らなければ分からない。

だから,この判断が難しい。

そういった観点から述べると,今回は学校内容をほとんど逸脱しないながらも,それでいて時事内容を上手く出題しており,単なる入試問題にとどまらず,総合問題の練習としても非常に良い問題だと見受けられた。

国語の出題は,心理の話題があったので私の大好物であったが,受験生たちにとってはどうだったのだろう。

周辺校では「倫理」や「心理」を扱う内容がトレンドなのだなぁと感じている。

算数についてはいつも通り基本の計算,受験算数の基本内容が多かった。

子どもたちにとって難しいのは平面図形ではなかろうかと思う。

「中学生向けかなぁ」と感じる出題や,「気づかなければならないハードルが多い,または難しめかなぁ」と感じる出題が多く,糸口に気づけた場合は苦労しないが,気づけなかった場合はいくらでも時間を浪費してしまう出題が多い。

一問一問にのめりこんでしまう子は,こういった問題で時間をかけすぎてしまい総合点を落としてしまう場合もあるだろう。

その他,穴埋めのパズルらしい計算があり,これがいちばん目に付いたし,いかにも算数らしくて私の好みだった

こういった出題は,問題に対して能動的に考えられるかどうかがポイントになるのだろうなぁ。

後期試験の問題

本日は補習を行っているので,まだチラっと見ただけであるが,理科には「光」などが出題されておりバッチリ中学受験の勉強をしておくべき問題が,社会には「韮山反射炉」などの世界遺産内容と時事問題が多めに出題されており,出題者が力を入れて制作していることが伺える。

どちらについても,「中学受験用の勉強をしておくことが必須である」と感じるテストとなっていた。

私見だが,そういった意味では前期試験を見たときとは印象が異なるなぁ。

後期の結果が出揃ったら概況が発表されるだろう。

待ち遠しいものだ。