赤本(大学ごとの入試問題過去問集)が全く役に立たないことになるとは…。
横浜国立大学
大学ランクに関心のある方ならご存じ,全国的にも人気のある大学だ。
私の周囲では「横国(よここく)」といった愛称で親しまれていたし,入学した同級生も居た。
令和3年度入試
選抜要項が発表されたのだが…注目すべきは↓
https://www.ynu.ac.jp/exam/faculty/essential/pdf/senbatsu2021.pdf
要約すると,「2次試験は大学入試共通テスト(旧センター試験)の得点を換算して代替する」。
工学部出身の私としては,理工学部が気になったのだが…。
1次試験900点+2次試験1200点=2100点。
2次試験1200点=数学450点+理科450点+外国語300点。
2次試験がいかに大切かが分かる配点だろう。
2次試験を行わないということ
そもそも1次試験と2次試験に分かれている理由は何だろうか。
・1次試験=大学入学共通テスト(旧センター試験)
これは,全ての高校3年生・浪人生を対象に,成績を振り分けるためのテストだ。
だから,基礎レベルから標準レベルの問題がほとんどであるし,2次試験の内容と範囲が異なる科目もある。
数学・理科に限って述べるならば,理系で上位の大学を目指す層はほぼ満点近く取る。
・2次試験=大学独自のテスト
これは,その大学を志望する受験生に合わせたレベルのテストだ。
だから,その大学を志望する子たちを成績で振り分けられるようなものが課される。
これらのことから,「2次試験を行わない」ということは,
「応用的な内容へ取り組む力を見ない」
「基礎・標準にいかに抜かりが無いかを見る」
「いかにミスしないかを見る」
「本来2次試験で必要であるはずの範囲を課さない(例えば数学Ⅲの分野はいらない)」
…などのことが言えるだろう。
極端な例
経済学部の配点は驚きである。
もともとは…
1次試験900点+2次試験1200点(数学600点+外国語600点)=2100点。
数学と外国語に偏ってはいるが,そもそも1次試験の勉強と2次試験の勉強はベツモノなので,これで充分である。
これが,1次試験のみになると…
国語200点+社会200点+数学800点+理科100点+外国語800点=2100点。
なんと1次試験の数学と英語だけをカンペキにすれば,それだけで1600点となる…。
スゴイ…。
新しい変更などがあると,つい批判をしてしまいたくなるが,この結果がどうでるか,それがいちばん興味のあることだ。
ずっと横国志望だった子にとっては荒れる可能性があり,ショッキングな入試となるかもしれない。
「大学入学共通テスト」への変更でただでさえ見通しが立てづらいところに,このようなことがあり,ホント,「要項の発表があるまで何が起こるか分からない」のだなぁ…と実感するできごとだった。
中学入試も「英語」を導入するところがチラホラ出てきているしなぁ…。