適性検査とは何か

Posted on 2019年11月11日適性検査とは何か はコメントを受け付けていません

今回は,中学入試における「適性検査」のお話。

広島県東部での適性検査

おもに公立中高一貫校では「適性検査」が実施されるが,周囲にそういった学校は少ない。

「福山市立福山中学校」「広島県立広島叡智学園」,それから東広島市まで足をのばせば「広島県立広島中学校」が該当する。

どの学校も,「適性検査」は「検査1」と「検査2」の2つのペーパーテストを実施している。

(過去問については,各学校の公式ホームページの「入学者選抜について」などから閲覧することができるが,「叡智学園」については見つけられず…。説明会では配布されていたので,問い合わせたらもらえるかもしれない。)

検査1

百聞は一見に如かず,前述の学校などの公式ホームページを閲覧してみてほしい。

初めて見る場合には,「問題用紙」だけでなく「解答用紙」を見たほうが,様相が分かりやすいかと思う。

算数や理科の基礎知識を使い,思考力を用いて解く問題がおもなものだ。

解答の書き方も,ただ「答え」を言葉で書くというよりも,「説明」まで求められるものも多い。

場合によっては,「これだけが正解!」という問題だけでなく,「正解の条件を満たせておればどれも正解」といった問題もある。

もちろんいきなり取り掛かって解ける子もいるだろうが,ふつうは入試を受ける前に,形式に慣れておくほうが良いだろう。

特に,学校ごとに出題傾向にクセが出てくるから,なるべくなら多く解いておくべきだ。

だけど,知識偏重のテストと異なり,「思考する」ものが多いから,「慣れておけば絶対解ける」という状態にはならないこと,問題数の関係で1問の配点が大きいから,同一人物でもテスト結果にムラが出ることにも注意だ。

検査2

こちらも百聞は一見に如かず。公式ホームページを見てほしい。

一言で言うと,「作文」だ。

これこそ「決まった答え」があるわけではなく,自分で考えて書く問題がほとんどだ。

こちらもふだんから「書く」ということに慣れていないと,時間的に厳しいだろう。

逆に,「書く」のが得意な子であれば,自由に書ける分,答えの決まった問題よりも易しいと感じるかもしれない。

対策

対策が難しいのが「適性検査」である。

だけど,入試は「出題者」「採点者」に対して自分の解答を提出するものであるから,「出題者」「採点者」の立場に立って考えることが肝要だ。

どちらもまずは「慣れ」が必要で,そして慣れながら「受験校の出題のクセ」を知り,「採点者がどこを見ているか?」まで学習できれば良いだろう。

「自分が採点者で,厳しく採点するならどこで減点するか?」まで見られるようになると,より盤石になる。

だが,検査1に関しては,「算数」的な問題でどうしてもふだんから「思考実験」を繰り返しているかがカギになるものもある。

こういったものは,ただただ「適性検査対策」の授業を受けるだけでは不十分で,日常生活の場面で「思考実験」をするクセがついているほうが明らかに有利だ。

いま,小学生でも日常生活が習い事のスケジュールで埋め尽くされ,「ヒマ」な時間が確保できない子が増えている。

もちろんピアノや水泳といった習い事自身も大切だけれど,「退屈な時間にいかに考え事をするか?」ということも,大切なのではないかと感じている。

(数学が好きな人の中には,常に頭の中に数学の問題を1問しまっており,ヒマなときにそれについて思考したりする人もいるくらいだ。)

適性検査の良し悪し

適性検査型の入試は,「思考力」や「分析力」,「表現力」を測るためのテストとしてはとても良いものだと考えている。

反面,解答が画一的でないことが仇となり,「採点者」の裁量しだいで評価を簡単に調整できてしまうというデメリットもある。

私も今まで受け持った6年生が多いため,子どもたちや保護者からいろいろなウワサが上がる。

ウワサをすべてを鵜呑みにするわけにはいかないが,それでも「適性検査」の採点については,もっと「公正」であるべきなのではないかと感じる。

「成績開示」を請求できる学校が増えたとはいえ,他の子どもたちの答案と細かく比較できるわけでもないから,「成績開示」だけでは「公正さ」を保つのは難しいだろう。

また,厳しい意見だと言われるかもしれないが,現在少子化の流れからか「適性検査」型の試験に対応できないレベルの子までが合格しているのが現在の周辺地域の状況だ。

逆に言えば,「検査1に問題無く対応できる力」が付けば,その時点で競り合うまでもなく合格に達してしまうともいえる。

こういった状況だから,「検査1を安定して解く力をつける」ことに関しては,どの塾も苦慮していることだろう。

まとめ

適性検査は,その理想や出題形式は非常に先進的で,思考力,分析力,表現力を確認するのに非常に良いテストだ。

反面,評価軸がブラックボックスにならざるを得ず,現在の日本社会では忖度も自然に発生してしまう状況となっており,公正な試験であるとは言い難い

「検査1」に関して,付け焼刃では安定して解くのは難しいが,数をこなして「慣れる」ことは可能である。

「検査2」に関して,「文を書く」ということに「慣れる」ことは可能である。

それぞれの問題について解説を聞いて分かってもらうことは難しくないが,「安定して解けるようにする」のは非常に難しいと考えている。

(適性検査対策講座などを行っている塾も多いし,私も需要に応じて対応するが,「必ず自力で解けるようにします!」などとは口が裂けても言えない…)