7月の話題ですね。
全国学力・学習状況調査
三角形の面積、基本問題で正答率2割 専門家「衝撃的」全国学力調査
↑ニュース記事。
元の問題もチラっと見たのだけれど,小学生指導をしている講師の問題作成者目線からすると,『とても配慮に配慮を重ねた抜かりの無い出題だな』という感想。
(『平行』である旨は,大問の説明に書いてありました。)
こういったテスト。
小学生の算数なのに,大人の読解力を前提に眺めて批判する様子をよく目にする。
が,そもそも学力上位層を中心としていないテストであるため,『平均的な学力の小学生が読めること』を想定するとこのような出題になる。
小学生対象の文章を書かない人は気にも留めていないかもしれないが,たとえば『改行位置』はかなり重要な要素である。
意味を分断するような改行をしてしまうと,その時点で『改行があってもうまく読める子 / 改行があるとうまく読めない子』をふるいにかけてしまうことになり,これでは測りたい学力を測定できない。
また,『短くかつ平易な表現を用いる』といった気遣いも必要になる。
その上で,図形として矛盾しないかたちで出題されていることには頭が下がるなぁと感じた次第である。
さ,作成目線の話はさておき。
ニュース記事の,底辺と高さが等しい三角形の正答率が21.1%。
受験算数では基本事項であるが,この時点でもう学力の乖離が生じている。
これは単なる正答率であるが,おそらく計算問題についても計算スピードや計算精度に大きな差があるのだろうなと私は推察しているが,実状はどうだろう。
受験自体を批判する場もよく見かけるが,学力を高め教養を身に付けたり,インプットする機会,アウトプットする機会を増やすことを私はポジティブに捉えている。
これがあまりに苦になるのであれば避けたほうが良い場もあるが,受験することも,受験勉強することも選択的なものである。
学力的に近い子たちが集まった環境,行きたい学校に身を置くことがどのような影響を及ぼすのか,長所短所双方突き詰めて考えてみればよかろうというものである。