小学生の子どもたちには,「叱る」と「怒る」を同じものだと捉えている子が大変多い。
それもそのはず,小学1年生でようやく「ひらがな」「カタカナ」「漢字」を学習し始めるのだ。
同じ場面で使われがちな言葉の意味の違いなど,マジメに考える機会が無ければ知らなくても当然だといえる。
「怒る」はただ感情を表す言葉なので分かりやすいが,「叱る」は単なる感情ではなく,意図が込められているのだから仕方がない。
「叱る」という言葉を知っているということだけでも評価するべきだろう。
はじめに結論を書いておくと,
「叱る」とは,相手のために注意をすること。
「怒る」とは自分の感情が「怒り」の状態になっていること。
もちろん辞書的に解釈すれば異なる意味も含まれるが,教育の場面で使われるこの2つの言葉を比較するためにこの表現を選んだ。
ここで注意したいのは,「叱る」というのは「相手のためを思ってやること」であることに対し,「怒る」というのは「ただ自分の感情をぶつけているだけ」であること。
エラそうに書いているが,私も常々注意していることだ。
どんなに注意してもしすぎることは無い。
「そんなん分かっとるわい!」と調子に乗ったときこそ危ないものだ。
「叱る」というつもりでやっているのに,ただただ「怒る」になってやしまいか?
「叱る」必要のある場面では,常に心の隅を置いておきたいことだ。
もちろん「怒る」演技をすることで,授業に良い影響があるならば,「怒る」演技をすることもある。
ただこのときも,演技をしているつもりが自分がその気になってしまって「本当に怒り始める」といったことがないように注意したい。
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