さびしい。(20年来のファン)
『桜井政博のゲーム作るには』
↓『桜井政博のゲーム作るには 最終回スペシャル』
桜井政博氏は私のいちばん尊敬する人物。
それは好きなゲームをつくっているからとかそんな単純なことではなく,仕事への姿勢,生き方,ものの考え方,実行力などなど──何をとっても偉人と言わざるを得ない人柄である。
このたびの回は衝撃が大きかったようで,webニュースにもよく取り上げられていた。
「桜井政博のゲーム作るには」最終回で語られたこと 制作費は約9000万円、そして2年半前に収録がほぼ完了していた理由
↑ニュース記事のひとつ。
・仕事と仕事の合間の数ヶ月の休みを使って260回分の動画をすべて収録し,2年半の更新は編集作業と監修のみに。
・製作費は約9000万円(自分でやった分は含めず。おそらく氏の仕事量は9000万円どころではない。)
・収益化せず,一切金銭的報酬ナシ。
・ゲーム業界全体の底上げが目的であり,自身の利益は求めない。
このような姿勢を持ち,実際に実行してしまうところが氏らしいところ。
ゲームに全く関心の無い人にとっても,人生訓になるような話題も少なくない。
紹介したいものはたくさんあるが,以下の4つくらいに絞ってみようか。
↓とにかくやれ
↓絶対にケンカするな
↓思ったことはすぐに言え
↓エコーチェンバー
1つ目の「とにかくやれ」などは昨今はもはや常識となりつつある。
脳科学の池谷先生もおっしゃっている通り,『やる気』は存在せず,モチベーションが上がらないときの言い訳に使いやすいから使われているだけというネガティブな場面で使われがち。
もちろんそれがただただ悪いという意味ではなく,『やる気』について脳科学に沿って考えるならば,『やり始めること』が『やる気』を生むことを知っておくことが重要である。
すなわち,『やり始めるための導線・きっかけ・習慣づけ』をあらかじめ組んでおくことが『やる気』を生むいちばんの近道といえる。
こういった人生訓を,脳科学からのアプローチでなく,自身の哲学として語られているのが面白い。
もちろんすべて鵜呑みにしたほうが良いというわけではなく,自身の生き方の参考のひとつとして生かしてゆくにもタイヘン参考になる。
私自身も,『授業を受けている子たちにとって,今の学習が今後の人生経験を少しでも豊かにするもの』になることを思って仕事をしている。
主題からはそれるが……。
動画制作をしたことのある人ならご存じ。
氏は2-5分程度の動画にしてサクサク観られることを目指して制作されているが,インパクトのある情報を2-5分にまとめることがいかに難しいか。
あらかじめ計画を立て,必要な機材の選定を自身で試行錯誤し,必要な素材を録画したり用意したりし,納得のいかないTakeがあれば撮り直し,また不要な部分をきちんとバッサリ捨てる。
この『不要な部分をバッサリ捨てる』が初心者には難しいのですよね。
『頑張ったし時間をかけて作ったし,せっかくだから公開したい』というお気持ちを他者に見せつけがちなもの。
最終回は裏話的な回でもあり,またその裏話を語ることがメインであったのでこの限りではない部分もあろうが,この回も編集にはかなり時間がかかったことだろう。
こういった大きなことを成すには時間もお金も体力も,実績も教養も実行力も必要で。
本当にお疲れさまでした。
人生訓・エンターテインメントとして楽しめるチャンネルの更新ありがとうございました!