今年読んだ本だ。
なぜこの本を思い出したのだろう。
叡智学園の説明会にて
教室などを見学しているときに,「図書室がまだできていないので,ここを仮図書室としています」と言われたところがあった。
そのときに「どのような本を置いているのだろう…?」と眺めていたら,この本が2冊も置いてあったのだ。
「まだ中学1年生しかいない学校にしては,重いテーマの本を置いたなぁ」と思い,印象に残っている。
本の内容
もともと2部構成の本であるのだが,日本語訳に伴い前半の形而上学の部分が省かれており,倫理に関わる後半部分のみの内容だ。
(省かれた部分に関するクレームがあったのか,現在は前半部分が無料公開されており,今夏には完全版も発売されているようだ。)
後半部分のみとはいえ,読み応えは充分あり,「死」に関してイェール大学の先生が考察するとこういった考え方になるのだなぁと,自分の考察と一致することも多いし,それ以上に深く考察されていて「死」に対する価値が安定したものになった。
私の場合,宗教やスピリチュアルなものに関する文化を否定することはしないが,科学のほうを大切にするから,前世や来世,死後の世界などは存在しないという立場だ。
「死」に直面した場合,「苦痛」をはじめとする「感情」すら消えてしまうのだという考え方は一致している。
倫理
「倫理」を科目として学習するのは高校生になってからだ。
「死」に関する本を扱うのが中学1年生にとって早いのかどうかは私には分からない。
だけど,「死」に関する話題はすぐに「不謹慎だ」と言い避ける傾向が必要以上に大きいと感じている。
この本のように,「死」について真剣に考察する機会があることはもっとあっても良いのではないかと思う。
関連記事