2007年から行われている,民間による全国対象の小学生向けテストとしては最大規模のものだ。
例年,年2回行われ,11月3日(文化の日)は年度の2回目のテスト日となっている。
テストを受けるメリット
無料で全国順位を知ることができる。
学校のテストが「正解してもらうためのテスト」であるのに対し,このテストは「子どもの学力順位を知るためのテスト」だ。
だから,易しい問題から難しい問題まで満遍なく出題されているし,シビアな制限時間も設定されている。
ふだん「賢い」という立場の子でも,簡単には満点を取れないようなレベルの問題が控えており,解きごたえのあるものだ。
テストに慣れることができる。
ふだんと違った雰囲気でテストを受ける…といったことに慣れる機会になる。
「上には上がいる」を知る良い機会。
特に地域での学力上位層にとっては,「井の中の蛙」状態を避けることができ,「自分の学年でこんな問題に取り組んでいる子もいるのだなぁ」ということを肌で感じることができる。
学力上位層にとって,自分と同じレベルの学力の良きライバルがいない場合など,中学・高校でのギャップに悩まされる子も多い。
あらかじめ全国の学力上位層がどういったレベルなのか知っておく機会になる。
(中高で地元に通う場合,全国レベルの競争をするのはずいぶん先ではあるのだけれど。)
テストを受けるデメリット
塾などに通ったことが無い場合,いきなり受けるには「難しいテスト」である。
特に「できないことは悪いこと」と教育されていたり,「満点が取れて当然」といったテストしか受けたことが無い場合,泣いてしまう子もいる。
そういった場合,これを経験に次に活かしていければ良いのだが,トラウマになってしまう場合も。
実施する塾のメリット
主催は四谷大塚であるが,直接関係の無いさまざまな塾で実施されている。
無料のテストであるから利益は発生しないが,なぜ実施するのだろう。
目的は,「個人情報を得ること」「塾を知ってもらうこと」,この2つが大きいことと思う。
ただ,SNS全盛の現在では悪いウワサはすぐに広まってしまうため,しつこい勧誘はあまり無いはずだ。
(塾によるといえばそれまでだし,コッソリ個人情報を業者に提供する塾もあるのかもしれないけれど…。)
利用客側からすると,「一度足を運ぶ」というハードルがいちばん高いもので,このハードルを越えてきてもらう機会になるというのは,塾側にとって大きなメリットである。
四谷大塚側は「対策授業」も謳っているものの,他塾にとっては労力に見合うメリットが少なく,実施を避ける傾向もある。
私個人としては,「事前に中身を知らないテスト」を扱うのは無責任であるように感じてしまい,どうしても抵抗がある。
もっと柔軟になっても良いようにも感じるが,慎重に判断したい。
実施する塾のデメリット
完全にふだんの仕事に追加した労働となるので,従業員の仕事が増える。
テストの問題・解答が届くのは,非常識なほどギリギリであるので,事前に問題を知ることができず,実施中に解いておかなければ質問等の対応が難しい。
(テストがそれだけ厳重に管理されているという長所のほうが大きいので,批判は筋違いだけれど…。)
まとめ
全国順位を知る無料のテストを受ける,良い機会になる。
「難しいテスト」であるから,受けるかどうかは慎重に判断しよう。
個人情報の扱いについては,塾側にしっかり確認しておく必要がある。
地元の中学入試の問題傾向とは全く関係が無いことには注意。