「叱ること」と「怒ること」

Posted on 2019年8月31日「叱ること」と「怒ること」 はコメントを受け付けていません

小学生の子どもたちには,「叱る」「怒る」を同じものだと捉えている子が大変多い。

それもそのはず,小学1年生でようやく「ひらがな」「カタカナ」「漢字」を学習し始めるのだ。

同じ場面で使われがちな言葉の意味の違いなど,マジメに考える機会が無ければ知らなくても当然だといえる。

「怒る」はただ感情を表す言葉なので分かりやすいが,「叱る」は単なる感情ではなく,意図が込められているのだから仕方がない。

「叱る」という言葉を知っているということだけでも評価するべきだろう。

はじめに結論を書いておくと,

「叱る」とは,相手のために注意をすること。

「怒る」とは自分の感情が「怒り」の状態になっていること。

もちろん辞書的に解釈すれば異なる意味も含まれるが,教育の場面で使われるこの2つの言葉を比較するためにこの表現を選んだ。

ここで注意したいのは,「叱る」というのは「相手のためを思ってやること」であることに対し,「怒る」というのは「ただ自分の感情をぶつけているだけ」であること。

エラそうに書いているが,私も常々注意していることだ。

どんなに注意してもしすぎることは無い。

「そんなん分かっとるわい!」と調子に乗ったときこそ危ないものだ。

「叱る」というつもりでやっているのに,ただただ「怒る」になってやしまいか?

「叱る」必要のある場面では,常に心の隅を置いておきたいことだ。

もちろん「怒る」演技をすることで,授業に良い影響があるならば,「怒る」演技をすることもある。

ただこのときも,演技をしているつもりが自分がその気になってしまって「本当に怒り始める」といったことがないように注意したい。

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