先日教材展示会を訪れたことが功を奏し,とある方から連絡があった。
「福山に用事があるので,是非お話しさせていただけませんか?」
…とのこと。
個人塾,それもまだ開校していない私に対してこんなにアプローチしてくださるなんて!
営業だから…とはいえ,ここまで丁寧に対応していただけるのはありがたい限りだ!
会社に所属されている方で,仕事で来られていたのであまり細かい内容は書けないが,問題の無い範囲でここにアウトプットさせていただく。
(教材の話もかなり詳しく話してくださったのだが,今回は以下の点のみの記事とさせていただく)
小学英語
教育課程が変更になるたび,小学英語が話題になる。
「来年度改訂になる東京書籍の英語の教科書がスゴイ!」という話を伺った。
ホームページで確認すると,なるほど「スゴイ!」の理由を感じる。
さまざまなところにQRコードがあり,スマホを活用した学習もできるようになっていたりし,家庭でも音声を使った学習ができ,動画も観れるのだ…。
年配の方の中には「スマホばかり見ている若者」に不快感を示す方も多いが,「スマホに振り回されているのか」「スマホを上手く使いこなしているのか」が大切であって,頭ごなしの否定をするのは頭が固いよなぁ…と感じていたが,教科書側もようやく追いついたか!と感じる出来事だった。
(今や知らない土地に地図を持たずに訪れ,GoogleMapで場所を確認したりするのも当たり前になりましたしね…。)
現在の保護者世代はLINEでママ友グループの連絡網を作るのも当たり前のようになっているし,保護者世代であればQRコードは活用できて当然…となってきているのかもしれない。
まだ検索結果としては現行課程のものも出てくるから,新課程用のものを正しく探す必要はある。
だけど,ホームページに書かれている紹介ですら充実しすぎている。
あとは,学校現場で教員が上手く扱えるかどうか,家庭で理想的な活用ができるようになるか…ということが問題になってくるだろう。
教材会社からすると,「塾用教材で作る動画より教科書の動画のほうが良い場合もあり,何に付加価値を付けていくか,頭を痛めているところです…」という感じであるらしい…。
中学入試と小学英語
中学入試に英語を導入する学校も少しずつ増えてきている。
これからどういう流れが主流になるのかは,正直分からない。
だけど,私が考えていることは以下だ。
・小学校の勉強と中学入試の勉強はあまりに乖離しているため,4教科学習でもカツカツなのに,5教科学習は現実的に厳しい。
・「英語英語!」と叫ばれているが,むしろ国語力の有無が子どもたちの学力に大きく響いており,語学の基礎は国語すなわち日本語だと考えているし,英語を重視するあまり国語がおろそかになるといった事態にならないようにするべきだ。
・上述に関連して,教科選択型にして英語を取り入れるにしても,国語算数をおろそかにする入試には懐疑的。
・旧課程の小学英語が無かったころのことだが,長く英会話教室に通っている生徒とそうでない生徒を比べても,中学1年生の夏ごろには英語の学力が横並びになってしまっていたのが現実であるから,それこそ小学校での「耳に慣らす」「英語を好きになる」程度の学習で充分であるように思う。
以上のことより,やるにしても「国語算数英語の3科にする」または「国語算数理科社会+英語(スピーキングやリスニング)」といった入試形式が現実的かなと感じる。
スピーキングやリスニングをする場合には,評価軸がブレやすく,評価軸がブレると学校への不信感につながるから,「当たり前のことができれば満点」くらいにしなければならないのではないかな…と思う。
わけのわからない基準で合否が決まるような入試は正直見ていて胸が痛む。
広大附属福山中で以前実施されていた作文くらいの評価軸がちょうどよいだろうと思うのだが,果たして…。
いずれにせよ,受験指導をする身としては「どういった試験になるかが分からなければ,ムダな学習が多くなってしまうため,手が出せない」というのが現状だ。
もし入試のスタイルが決まっていないのに指導している塾があるとするならば,「その時間,他の科目や他の習い事,野外活動に充てても良かったのでは…」と思ってしまう。
「満足度」を売りにする商売としては,満足してもらえれば何をやろうが構わないのかもしれないが,私は「形式が分からない以上,英語を好きになるという目的での学習で充分だろう」という立場だし,塾で科目として指導することはまだ考えていない。