【引用記事】男女差について論じること

Posted on 2021年10月13日【引用記事】男女差について論じること はコメントを受け付けていません

物議を醸している話題を見かけたので。

「XYとかサイン、コサインなどというのは女子は心が踊らないのです」

【文系・理系の壁】花まる学習会・高濱正伸さん「理系、文系という枠組みを鵜呑みにしているだけ」(リンク切れ)

文系・理系の話題であるはずなのだけれど,ネット上では以下の文言が物議を醸しているそうで。

XYとかサイン、コサインなどというのは、国語や社会に比べて抽象度が高く、女子は心が踊らないのです。

何が問題なのかというと,個人差であることを男女差として書かれているところだという。

おそらく長年の経験と感覚から洞察したことなのだろうけれど,確かに「女子は心が踊らない」は事実ではなく憶測であり,こういった意識を表出してしまうのが問題なのだろう。

(こういったときに,「踊る」ではなく「躍る」では?…と余計なところに意識が向いてしまうのが私である…。)

私自身もこの文言については,「個人で思う分には問題ないが,公の場で明言してしまうのは問題では?」と感じている。

男女差について論じること

本来あらゆることに個人差があることは誰でもわかっていることであるが,「個人差はあるけれど,傾向としてはこう」といった情報は求めているもの。

たとえば乳幼児の育児などは,生まれた直後の体重,乳の飲み方,ハイハイ,つかまり立ちなどなど,あらゆるものごとが個人差であることは誰しもわかっている。

そして,「標準的にはこう,傾向としてはこう,平均的にはこう」という統計データと照らし合わせながら,いま目の前の子どもの成長がどのようになっているかを見つめてゆくもの。

が,この統計データとのズレについて,「悪いことである」とか「(あなたは)異常だというのか?」という反発心が芽生えてしまうとやっかいである。

大勢に向けて発信する情報であれば,このようなことは避けられるものではないので,発信する情報自体を誤解のないように吟味する必要があるのだなぁと,そんなことを考えるなど。

(私も毎日書いておりますが,これだけ書いておれば不適切な表現はたくさんしてきていることと思う…。)

私自身も男女差について論じることはある。

たとえば以下のようなものがある。

・定員が男女別の入試について,男女の合格ラインの差について述べること。

→これは傾向として伝えねばならないと考えているため,今後も述べてゆくことだろう。

・定員が男女別ではないが,結果として入学者の男女比率に偏りのある学校について述べること。

→数字のデータについては事実であるので述べることがある。そこからどのようなことが推測されるかは口頭である程度述べたりする。

・二次性徴のタイミングについて述べること。

→中学受験の勉強の時期と二次性徴開始時期は大きく重なっているし,開始時期の傾向は男女差があらゆる場面で述べられている。デリケートな話題ではあるし,性差だけでなく個人差もあるので,それは必ず添えるようにはしているものの,傾向を述べないわけにはいかない場面は今後もある。そして,精神的な成長,身体の成長と学習意欲やモチベーションの波は切っても切れないものであるので,今後も述べることだろう。

…こんな具合である。

が,明確に男女差のデータが無いものについては,特に公の場で文面にするのは避けたほうが良いのだろうなぁと,そんなことを考えている。

こういったものごとって,目の前で深く関わりのある方々よりも,遠い位置に居る方ほど辛辣な非難を浴びせ,大衆を扇動するものだからなぁ…。

ターゲットにならないようにしたいものだ。

男女についてデリケートな時代になった

公園のトイレ、男女色分けせず 「性的少数者への配慮足りない」の声反映

↑のような話題が出たのもつい先日だった。

倫理的な問題からこのような判断になったのだろうけれど…。

倫理面を度外視するならば,私自身は形より色のほうが認識や区別が早い方が多数なのではないか?と考えているので,これは利便性が下がったと感じている。

いま社会の授業でもよく取り上げられる「ユニバーサルデザイン」に逆行しているともいえるだろう。

毎日のように頻度高く利用する方であればもはやマークはさほど話題にならないし,倫理面に配慮して波風立てないほうが優先されるのだろうけれど…。

「公園のトイレ」については公共の場であるし,初めて利用する方にも分かりやすくあるほうが優先されるのではないかなぁと,個人的にはそう考えている。

長々と書いたけれど,「男女差について,誤解を生まぬよう,情報が独り歩きせぬよう論じるのが難しい世の中だなぁ。情報の受け手側が,事実か個人の思想かを区別して受け取るようにせねばね。」といったまとめ方になるかしら。