近場に無いこともあり,この機会に調べるなど。
中等教育学校
『1998年より日本で新たに定められた学校種』『1999年より制度化された学校種』とのことで,まだ四半世紀ほどしか経っていない形態といえる。
雰囲気のみで情報を読み取る人には『中』だけが目立って見えるだろうことは想像に難くないが……。
『中等教育』とは『中学校』『高校』の学習を『中等教育前期』『中等教育後期』とするもののようだが,実態は在校生やその保護者に話を聞かねばわからない。
福山市から見れば,岡山にある県立大安寺中等教育学校,私立朝日塾中等教育学校の名前を見かける程度であろうか。
広島市内には市立広島中等教育学校がある。
国立の中等教育学校は,現在以下の4つのみ。
・東京大学教育学部附属中等教育学校
・東京学芸大学附属国際中等教育学校
・奈良女子大学附属中等教育学校
・神戸大学附属中等教育学校
このたび福山中等教育学校が設置されれば,史上5校目となる。
(開校まで数年あるが……。)
中等教育学校に通っていた友人の言
『高校受験と完全に隔絶されている点のメリットが大きい』との旨。
中高一貫校の一番のメリットについては,当事者でない私から見ても同じ点を挙げてきた。
大学入試を見据えるならば,まず中学への入学前,小学校の間に『長期間かけて実力を養成する』という体験を積むこと,このメリットは大きい。
カリキュラムについても単純な『早回し』という側面もあるが,全体として中高の単元を一旦すべて見据えた上で,最適なかたちに組み替えることができるのも大きい。
高校入学者が居た場合,高校の単元を『もう済んでいる』という状態にはできないため,どうしても中学内容でわけのわからない難度の演習をやって間を持たせる期間ができてしまったりするもの。
また,周辺の公立高校にいたっては,高校3年生の大学受験までにカリキュラムが間に合わない科目もあるなどもよく聞く話。
であれば,6年間全体としてどうカリキュラムを組み立てるかを学校側がコントロールできるメリットは,学校にとっても生徒にとっても大きい。
逆に,高校入試の動きは『定期テスト対策などのその場しのぎ』や『生活態度』に終始しがちで,さらにそれが成功体験として積み上がった状態になり,長期の養成を要する大学入試の勉強とのギャップについていけないという状況も目の当たりにしてきた。
そもそも大学に関心の無い層は無い層で構わないが,大学入試を見据えて行動する人にとっては大きな違いである。
ともあれ,このたびの新設学校については今のところ大いに好意的に考えている。
(母校の名称がかわるのだなぁという思いも持ちつつ。)