昨日は,まさに泥のように眠り,朝を迎えた…疲れがたまっているなぁ。
そろそろ気分転換せねば。
日常生活もだけれど,仕事のパフォーマンスが鈍るのもよくない。
…そして,昨年はミニリタイアメントさせていただき,教育業界から離れていたけれど,戻ってきてしまったなぁ。
内容・難度 雑感
母数の大きい塾では無いから私の主観が大いに入るし,万人に当てはまることではないが,思うことを。
0.総論
算数の難化がすすみ,25点程度取れれば御の字となるような出題だった。
国語・理科・社会はいつも通り。
国語・理科・社会は今まで通り「なるべくミスを防ぐテスト」であったが,算数は「取りに行くテスト」になっていると感じる。
来年度の「広大附属福山中入試 概要」の案内の内容も結構書きかえねば。
1.国語
2問編成が2年続いたが,難度はいつも通り。
漢字,選択肢のみ。(段落を選択する問題含む。)
2つ目の文章が「めんどうくさい」ことに物申すかたちの話題だったので,内容に抵抗がある子には読みづらい文章だったのでは…。
(高校生のセンター試験でも,論説文は解けても小説はキツイ…という声をよく聞く。物語文ほどではないものの,随筆は筆者の心情をつかめないと,思い込みでミスリードしてしまうことがあるだろう…。)
2.算数
今まで2枚目の大問として扱われてきたレベルの問題が1枚目の小問にあったり。
気づけば簡単,気づかなければ難しい平面図形があったり。
分数,約数と群数列の融合問題かつ計算ミスが起きやすい問題が出題されたり。
最後の規則性の問題は落ち着いてやればいつもと同じくらいのレベルであったと思うが,1枚目の後半から2枚目にかけて難問続きであるせいで,落ち着いて取り組みづらかったのでは…。
算数が特別得意な子で無ければ,「後回し」または「捨てる」,「落ち着いて確実に正解させる」…という問題の見きわめが難しい年だな…と感じた。
この5年間,難度の高い年が続いている。
この傾向がこのまま続くとすれば,10年前の算数の問題などは,あまり役に立たなくなってくるだろう。
3.理科
易しかった。まさにミスをしないことが試されるテスト。
珍しく光にフォーカスされた出題!
今年じょうぎを使うべき問題は虫メガネだったのか…。
(…使いましたか?)
そういえば,理科の出題内容について私の制作模試が的中したけれど,基本的な内容すぎて影響は無いだろうなぁ。
ただただ私が「出題傾向を熟知していますよ」と知らしめることができただけであり,子どものためになったとは言い難い…。
(正答率の低い内容を的中できれば良かったのだけれど…。)
4.社会
出題傾向が分かっておれば,易しかった。
毎度のように出題されていることを何度も復習していれば取れる問題だったので,過去問での対策がいちばん有効であったといえる。
地図記号の問題など,常識的な判断力も求められる出題になっており,「ただ覚えれば良い」といった出題ではないのは相変わらず。
国語・理科・社会を万全体制で準備し,算数でムリせず取れる問題を取る…そして,難しめの問題に対してどれだけ取り組めたか…といった出題だった。
「しっかり時間をかけて受験算数を学ぶ」といったことが必要な年だっただけに,やはり数年間かけて塾で学習していくことが推奨されそうだ。
算数は6年以上前の難度とこの5年間の難度では明らかに異なる。
今後どうなっていくのか分からないが,いまは算数の重要度が高まっているといえる。
(今後の模試も,算数の難度を上げねばなぁ。)
終わったあとに話題になること
話題になるのは「難しかった問題」のことばかり。
だから,社会の問題などでも「○○が出た!解けんかった!」という話題が出ることもあるが,よくよく再現してみると,それ以外はほぼ満点…といった状況だったりする。
各科目が終わった段階で出る話題は「全体の傾向としてあまりアテにならない」といったことが多い。
また,塾講師側としても「○○をやっておいてよかった」「○○をやっておけばよかった」などの話題が出ることもあるが,これも結果論である。
実際にテストが行われる前は,「今までの傾向から考えて,○○をやっておくべき」「出たことはないけれど,出たら困るから○○をやっておくべき」といった思考だ。
指導期間を長くとれれば,後者の「出たことはないけれど,出たら困るから○○をやっておくべき」のところも丁寧にフォローしておくべきだし,2019年度のともや塾のように「1か月しかない…」となれば,前者の「今までの傾向から考えて,○○をやっておくべき」にフォーカスした学習で範囲は狭くとも定着を優先させるといったかたちになるだろう。
2019年度は1か月という短い期間だったけれど,この期間にやれることは,私だけでなく子どもたちもやりきった。
2020年度の受験でできることは終わったのだ。
あとは,結果がどうなったか,それをどう受け止めるか,だ。
結果がよかった場合は素直に喜べばよい。
ただ,長期的にいえば「過去の栄光にすがるだけの人」にならないよう,次の目標を見つけよう。
結果が芳しくなかった場合は素直に泣いて良い。
悲しかったならば,結果を見て泣いてしまうほど真剣に取り組んだ証だ。
「○○すればよかった」「だから○○だったのに…」があったとしても,過去を変えることはできない。
ウジウジしたりせず,「この中学受験の勉強を通し,何を学んだか」「失敗したことがあったなら,この失敗から何を学んだか」を受け止め,「次に活かす」といった意識が大切だ。
私も毎度ながら反省点がたくさんあった。
塾講師は傾向にあわせて常に思考をアップデートしていかねばならない。
今年の内容も,来年度に活かすことができるだろう。
以前も書いたが,「中学受験に絶対はない」。
これは,文学的な話ではない。
科学的に見ても,検定試験のように「合格ラインありきのテスト」ではなく,「定員ありきのテスト」だからだ。
どういうことかというと,どんな難度のテストであれ,どんな点数を取った結果であれ,上位から○番目までに入っておれば合格…ということだ。
つまり,周囲の点数と比較した結果としてどこに位置するか…によって合格が決まるということ。
私ができることは,「実力的には最高で○点取れる」という学力をつけ,そして「下ブレしたとしても○点以上はいける」といった調整,そして時間配分…という,総合的な視点から考えた上で,各科目の指導をしていくことだ。