体は剣でできている?
『世界は経営でできている』
著者は岩尾俊兵氏。
1月に発刊されベストセラーとのことで気になり手に取ったもの。
いわゆる『企業経営』や『営利』に関する本ではなく,『日常生活にかかわるあらゆるものごとって経営だよね』という内容。
↓は『はじめに』に書かれているものの中でキモになる部分のひとつである。
本来の経営は「価値創造(=他者と自分を同時に幸せにすること)という究極の目的に向かい,中間目標と手段の本質・意義・有効性を問い直し,究極の目的の実現を妨げる対立を解消して,豊かな共同体を創り上げること」だ。
世界は経営でできている
書籍全編を通して『目先のものごとに囚われて視野狭窄にならず,大局的な見地から価値創造や問題解決してゆこうね』という内容であるように私は読み取った。
とかく世間では『誰かが得をすれば誰かが損をするものである』というマインドの人には出くわすことは往々にしてあるもの。
ものごとを,『奪い合い』ではなく『価値創造』と『(双方の)問題解決』として考えてゆくことが大切であるとも読み取れた。
↓は『勉強は経営でできている』の項より抜粋。
このように,勉強においては「はじめに全体観を把握してから最も弱い部分を補強していく」必要がある。さらに,最も弱い部分を補強した後には別の部分が最も弱い部分となる。こうして次々に補強する部分を変化させることで全体の理解が進む。
世界は経営でできている
受験業界に身を置いていると,この項についてはよく分かるもの。
カンペキを目指して停滞するよりもとにかくまずは全体像を一度学んでおくこと。
これが大切。
また,『出る杭は打つ』の逆で,凹んでいる部分の底上げを繰り返すことの大切さについても同じ見解だった。
↓もくじ
個別エピソードにはあまり共感できなかったが,大局的な内容自体には大きく共感できた。
見出しをはじめ言葉遊びパロディがふんだんに使われていたり,またカッコを使って独り言雑談をふんだんに用いられていたり,恐れ多くも私と同じような仕草が多い文体だなぁと思うなど。
クセのある文体なので,読みやすいか否かはそれが鼻につく度合いとの兼ね合いになるかもしれないなぁ。
ともあれ,面白い本だった。