S先生との雑談 ~“新しい人”

Posted on 2019年12月26日S先生との雑談 ~“新しい人” はコメントを受け付けていません

年は親子ほど離れているのだが,たいへん気の合う先生で,哲学などの思想についてよく語り合うS先生と雑談を。

S先生

S先生は,買い物については「どれだけ安く買うか」などに熱心だが,こと人間関係においては損得勘定が全く無く,常に「人のためを思って行動しよう」「会社のためを思って行動しよう」という,スバラシイ思想の持主だ。

ときにS先生としては良かれと思ってやったことが,相手にとっては迷惑となるといったこともあるが,お互いが思いやって行動すればトータルではプラスになる,…そんな先生だ。

古い人・新しい人

「古い」というとネガティブなイメージが先行してしまうので誤解を与えかねないが,「昭和の人」と「平成の人」,「アナログの人」と「デジタルの人」くらいの表現が良いのかもしれない。

いずれにせよ,優劣を付けるつもりはない

(これにさらに「令和の人」が徐々に増えてくるのだなぁ…。)

S先生は,毛利先生と同じく,議論してお互いの思想を取り入れたりすることが好きな人だ。

「どう思う?」という聞き方も,「同意してほしい」とか「否定してほしい」という意味合いではなく,「純粋に相手の考え方を聞きたい」という意味合いで使うことが多い。

その中で出たのが,次のような話題だ。

(正確に覚えているわけではないのだが,会話の流れと雰囲気を記載。)

S先生「この前,日曜日に出勤したら事務の方からメールが来とったんよ。」

S先生「それでね,すぐに状況を聞く必要があると思ったから,事務の方に電話したわけよね。」

S先生「そしたらね,こう言われたんよ。」

S先生「『休みの日に電話してこないでください。』

S先生「びっくりしてね。」

S先生「ともや先生は,どう思う?」

私「先生のおっしゃりたいことは分かります。」

私「だけど,彼女はどちらかというと『新しい人』の働き方をする人なんじゃないかと思います。」

S先生「…というのは?」

私「ひとつは,『仕事とプライベートは完全に分けるべきで,プライベートな時間には仕事の連絡は一切すべきではない』という考え方。」

私「これは個人の思想の問題なので,先生のように『日曜日でも生徒に関わることなどはプライベート中であっても仕事を優先したい』という考え方と比べ,どちらが優れているということは無いけれど,プライベートの時間に仕事の連絡をして良いかどうかは事前に確認しておくべきだったのでしょうね。メールであれば,いつ送られてきても確認をいつするかは受け手に委ねられるわけですから,メールのほうが良かったのかもしれません。」

S先生「ああ,そう。」

S先生「そうか。なるほどなるほど。」

私「もうひとつは,私はどちらかというと『新しい人』寄りだから,会社に入ってすぐに違和感を感じたことなんですが。」

私「『電話のほうがメールより礼儀正しい』という風潮がありますよね。」

私「ですが,『電話は常に自分の都合の良い時間に,相手に手を止めさせて合わさせる連絡手段』『メールは相手の都合の良い時間に自分の文面を読んでもらう連絡手段』というように考えると,電話よりメールのほうが相手のことを思いやった連絡手段であると言えます。」

S先生「ほー。なるほどなるほど。」

私「もちろん急ぎのときは電話ですけど,今回の件は相手側が先にメールを出しているのだから,相手側は緊急ではないと判断しているし,メールで返して欲しい,または次に会うときまでに読んでおいてほしいという意図なのではないですか?」

S先生「…なるほど。勉強になりました。」

こういった流れはハッキリ言って「くどい話し方」だし,すぐ相手を否定する話し方をする人が相手だと単なるケンカに発展しかねない。

だから,S先生のように「常に学ぼうとする」「謙虚」な姿勢の方が相手でなければ,こんな話し方はしないほうが得策だろう。

だけど,お互いが「常に学ぼうとする」存在であれば,何を話しても日常から学びを得られる

「謙虚」であることが,自己の成長へとつながっているのだと感じる。

今回の会話も,もともと自分がこういう考え方を持っていたわけではないけれど,人に相談されたことにより,考えてアウトプットする機会を与えられ,答えている私自身も勉強になる結果となった。

ちなみに,前職では「メールじゃなくて電話しろ派」と「電話じゃなくてメールしろ派」がいらっしゃったが,「メールじゃなくて電話しろ派」が多かったように思う。

どちらの思想でも構わないが,それぞれの利点を知り,人により思想が異なるのだと知っておくことが大切だ。

S先生は個人としてこれからも親交を深めてゆきたい御仁の一人だ。

機会があれば,またゆっくり語り合いたいものだ。