4月16日以降…と聞いていたのだが,待つことなく15日に届いた。ありがたい。
今回改訂後の教科書をパラパラと眺めた感想は…
めちゃくちゃ良い!
この教科書で学びたい!
しかし,「新しい理科」…うーん,ネーミングセンスには毎回苦笑い。
ちなみに旧課程のタイトルは「新編 新しい理科」。
書物は,出版した瞬間から連続した時間を過ごしながら古くなってゆく。
正しくは「編集したときには最新だった理科」である…。
(とはいえ,そのようなジョークが通じるのは,高学年あるいは中高になってからか…。)
2020年の教科書改訂
大きな指導要領の改訂は10年に1回,そして教科書改訂がその間に1回入る。
よって,小中を過ごす中で指導要領の改訂があることは珍しくない。
今回は,指導要領の改訂であるから,分かりやすく述べると「大改訂」という表現が良いだろう。
英語の教科化も含め,大きな改訂である。
自治体による違い
自治体により,採択教科書が異なる。
しかも,科目ごとに。
三原市では,国語・算数・理科・社会・英語…すべて東京書籍だ。
ありがたいことに,理科・社会については福山市の採択と同じである。
なぜありがたいのかというと,広大附属福山中の理科・社会の出題は,教科書内容の割合が非常に高いからだ。
(ただし,過去の入試の話であり,今後傾向が変わる可能性もある。どの学校についても,英語の教科化の影響もあり,秋になって公式発表を見なければ出題科目すら変わるかどうか分からない。)
教科書を参考にすること
「教科書から勉強するなんて,本当に先生なのか…?」
こういった問いを投げかける方もいらっしゃるかもしれない。
はっきり言って,教科書からの学びは多い。
中途半端に塾用教材をやるくらいなら,教科書を読みこんだほうが良いくらい。
何度読みこんでも学ぶことがある。
一度読んだものを自分のものとするには,精読の他,アウトプットすることが欠かせない。
そして,何より大切なのが「今目の前の子どもたちは,学校ではどのようなことを学んでいるのか」を知ることだ。
「高校入試ならまだしも,中学入試には関係ない」という声も聞こえてきそうだが,私はそうは思わない。
中学入試では,今までも,教科書内容の基本事項を中心に,発展内容が出題されてきた。
新しい教科書には「『疑問を見つける力』『創意工夫して解決する力』『事実を根拠に科学的に判断する力』を身に付けていきます」とある。
「知識偏重」の古い教育から徐々に脱却し,「思考力・分析力・判断力・表現力」を教育していくのだというのがよくわかる内容である。
(たとえば「治安維持法」という語句を知っているかどうか…が大切なのではなく,「治安維持法」とは何か…という内容や,さらには他のできごととのつながりのほうに重きを置くということ。旧課程の教科書でも,すでに「治安維持法」の名称は書かれておらず,内容だけが書かれていたり。)
評価軸が難しくなってしまうところが難点だが,指導者がこの理念をしっかり理解して教育していくことができれば,新課程は実りのあるものとなるだろう。
(とはいえ,算数については塾用教材などで発展内容もガンガンやっていかねば,中学入試には対応できないのは事実だ。学校内容とはずいぶん開きがあることだろう。)
細かいこと
上下巻となっているものは上巻のみが発行されており,4年生の社会については,旧課程が3・4年の合本だった影響で旧課程のものを使用することになっているだろう。
おかげで社会は4年生のものだけが発行されていない状態だ。
国立・私立小学校については独自の採択であり,周囲の学校と同じものを使用することもあれば,そうでない場合もあるようだ。
いつも情報提供してくださる保護者の皆様に感謝!
中学生については,現在移行期間であり,来年度から教科書が変更となるようだ。