…という記事を読みまして。
私自身は,「『成績』は『学力』をある評価軸・ある分野・ある範囲に沿って他者に見えるかたちでアウトプットしたもの」という立場。
学力が高いはずの子が受験に失敗することもあるが,これは「学力が高くても,本番の入試成績が低く出る場合もある」という典型的な例。
塾は成績を売りにすれば良い
これは本当にそう。
学力の客観的な評価軸って成績しか無いのですよね。
いくら思考力があっても,知識があっても,頭の中でどのような考えを巡らせているのか,他者から分かりはしない。
すなわち,いくら思考力が優れていても,いくら知識を持っていても,試験に対する適切なアウトプットができなければ,他者から見れば「思考力が優れていることは見えない」「知識を持っていることは見えない」ということ。
小学生の場合,「題意の読み取り」のステップで差がつくことが多く,点数で「学力がどう」と測れないのですよね。
もちろん「受験生向けの全国区の難しいテスト」の成績が良ければ,少なくとも学力が高いことは分かるのだけれど,「成績が悪いから学力が低い」とは言い切れず,「日本語の読み取り能力や聞き取り能力が低い」ことだけが読み取れる場合も多々ある。
そして,「読み取り・聞き取り」を鍛えることからスタートするが,もちろんその場合は「今まで学習した単元」に不確かなところがたくさんある子が多いことも予想される。
だから,年齢が低い間こそ「国語の力」が重要視されるのだ。
また,「真の学力」などふわっとしたことを言おうとも,評価軸がなく,良く述べようとすれば良く述べられるし,悪く述べようとすれば悪く述べられる,人を煙にまける表現であるといえる。
私も「子どもの心理理解」や「入試問題研究」を売りにしてはいるが,実際にはこれって抽象的・専門的すぎて売りにできないのですよね。
ありがたいことに,保護者様方からは,「子どもに対する認識が我が家と一致していて安心しました!」とか「私の知らないところまで認識されていて驚きました。」とか「先生のところで学んだおかげで,勉強好きであることが初めてわかりました」とか,…そういった意見はいただく。
だけど,数値で表せるものではないから,どうしてもふわっとしたかたちになってしまう。
何か具体的に示せるものがあれば表に出せるのだけれど,いずれにせよ「塾は時差を伴った口コミ」だから,塾を開いて数年は苦戦することは覚悟している。
だから,今は人数稼ぎよりも目の前の子どもたちへのサービスを誠実に徹底していきたい。
(「良い塾」であっても認知されるまでに数年かかるし,「悪い塾」になってもそれが浸透するまでに数年かかるもの…。これは,1年1年生徒が入れ替わるため,ずっと同じ人間がサービスを観測できないことによるのだろう。)
何の成績を頼りにすべきか
とはいえ,一口に「成績」と言っても,何の成績を頼りにすべきかを明らかにしておくべきであると考えている。
学習塾の目指すところは,多くの場合は「受験」であるから,「次の受験に関係する成績」だ。
高校生の成績
(先日のYouTubeLiveで質問が出たので,「基準」についてもそのうち書いてゆこうと思うが…。)
2次試験の成績として頼りになるのが「○○大入試オープン模試」や「○○大本番レベル模試」など。
1次試験の成績として頼りになるのが「全統共通テスト模試」「共通テスト本番レベル模試」など。
「受験」は「自分が,志望校の合格者というワクに入れるか否か」の相対的な勝負だ。
高校生ともなれば,多くの子たちは「全国区の勝負」に出ることになり,「上には上がいる」ことが分かっている。
だから,1位を目指す必要は無いし,学校内の成績や順位は軸にして考えるべきでないことも認識しているはずだ。
「模試の志望校を書く欄」などはいちばん頼りになるもので,これは「志望校を書くだけ」で終わらせるのはもったいない。
実際に受験するかどうかを問わず,「自分よりも上であると考える大学」「自分はこのあたりであると考える大学」「自分はここよりは上回っているであろう大学」など,レベルの異なる3つを書けば,自分の「成績」を知ることができる。
これが,高校生が頼りにすべき成績だろう。
誤解を恐れず述べると,逆に学校の定期テストなどはさほど参考にならないだろう。
局所的な単元の成績では実力は見えないことはもちろん。
もし,全ての生徒に対して適切な試験を作成・評価する先生がいれば別だが…なかなか難しいだろう。
(学校の先生を批判する意図では無く,人数的にもレベル的にも現実的に難しいというのが述べたいこと。)
中学生の成績
次が「高校受験」であれば,「学校の成績」が頼りになる。
ゆえに,「成績を売りにする塾」が正解。
これから広島県の高校入試の成績比率が変わるとはいえ,「学校の成績」がそのまま内申点につながるので。
中学の勉強は,「長期記憶」が大切でないとまでは言わないが,「短期記憶」や「物量」に頼る部分が多い。
だから,もし「成績」を伸ばしたいのであれば,その「物量」を適切に与えてくれる場に身を寄せるべきだろう。
もうひとつできることがあれば,「現在通っている中学校に特化した塾に通うこと」だ。
「学校の成績」は「定期テスト」と「生活態度」が大きい。
(細かい話は,各自治体の高校入試について専門的に述べられているサイトを閲覧されることを推奨致します。)
「定期テスト」はその学校の先生が作成するものであるから,地元中学校に特化した塾であれば,その特徴を熟知しているはずだ。
宿題の提出管理,または勉強に対する生活態度の改善などを促してくれる塾もあることだろう。
また,過去どのような子がどういった成績をとってきたのかのデータも集めている場合がある。
だから,地元の中学校に特化した塾があれば,その塾へ通うことが推奨される。
(ビジョンが明確であるため,この手の塾を開くことも考えたのだけれど,私の得意分野ではなかったのでヤメました…。)
小学生の成績
この塾のメインである。
が,長くなりそうなので,また後日。
小学生向けの塾は,「学校内容の理解を補助する補習塾」「中学受験を目指す進学塾」,そして「高校受験の準備をする塾」などに分かれるところから書こうかどうしようか…と思い,一旦脳の整理機能に任せて次回書こう…と結論を出したところである…。
(期待して下までスクロールされた方,スミマセン。しばらくお待ちください。)