補習は,やるべきだ。
だが,どういったときに補習をして,どういったときに補習をしないのかは明確にしなければならない。
補習をすべきとき
病気や学校行事など,やむを得ぬ理由での欠席については,補習をするべきだ。
特に「導入」の授業や,「講義形式」の授業など,新しい学習をするときにはなおさら補習すべきだろう。
補習をすべきでないとき
授業を受けているのに,補習を受けるクセがついてしまっている場合。
自習をするとか,授業について詳しく質問があるときは別だ。
ここで述べるのは,「先生に直接聞ける補習を受ければ,授業は聞かなくても良い」という心理状態になってしまう補習だ。
これは依存症になってしまっており,自律を阻害する可能性が大いにあるので注意したい。
補習のやり方
多くの場合,授業前の30分,または別日を使い,「前回授業でやったこと」について補充する。
「導入」部分であれば説明がメインになるし,「演習」部分であれば実践してもらうことがメインになったりもする。
今までの経験上,「休んだ分,今集中してみんなに追いつかなきゃ」という意識で,その次の授業も,いつもよりも集中して取り組んでくれることが多い。
そういった意味では,良くも悪くも「休んだ分,より意欲がわき,むしろ他の子よりもその日の学習がより身についた」という状況になることも多い。
困った補習
「保護者に言われて,イヤイヤ来ている補習」
さすがに自分の担任するクラスでは会ったことが無いが,単科で入っていたクラスでは,たまにあった。
これがいちばん手を焼く。
何しろ本人に意欲が無いし,「早く帰りたいなぁ」という意識が見え隠れすることもある。
こういった場合には,いくら時間をとったところで「補習をした」という事実で納得してもらうのが主目的になってしまうということになってしまう。
しかも子どもはイヤイヤ受けに来ているわけだから,勉強に対してネガティブな気持ちを芽生えさせることにもなりかねず,長い目で見れば,補習をすることで学習意欲を阻害するという,本末転倒なことにもなりかねない。
だからこそ,「補習」については慎重に扱わなければならない。