保護者の相談から。
以前書いた「ゲームは悪か?」の続きとなる。
ビデオゲームはアルコールのように「依存症になりやすい」という指摘もある一方,「ボケ防止になる」などポジティブな見解もある。
これまでに発表された研究論文をもとに,昨今の状況を紹介していこうと思う。
モントリオール大学の研究では
実際に100人程度の人数を集めて比較実験を行った結果,以下のことが分かった。
「ビデオゲームの種類によって,海馬の灰白質が増大するものと,減少するものがある。」
灰白質の減少は精神疾患のリスクが高まることが指摘されているから,気になる部分である。
具体的には,
「スーパーマリオなどの3D空間で『探索』するタイトルでは増大し,コールオブデューティなどの『反応』を主体としたタイトルでは減少する」
とのことだ。
おもにFPS(ファーストパーソンシューティング)やTPS(サードパーソンシューティング)とよばれる,銃の撃ち合いなどのタイトルは要注意であるといえる。
※日本語訳すれば,一人称視点の射撃,三人称視点の射撃,…となるだろうか。
最近では「フォートナイト」や「荒野行動」といったTPSはスマホでもプレイできるため,遊んでいる中高生も多いが,大学は「週に2~3時間以内にとどめておくべき」との見解だ。
逆に「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」や「ウィッチャー3」といったオープンワールドの探索ゲームや,「スーパーマリオオデッセイ」などの3Dアクションの探索ゲームは脳に良い影響をおよぼす可能性があるといえる。
後日,他の論文についても紹介していきたい。
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