塾の宣伝を見ると,「わからせます」とか「わかるまで補習します」とか,そういった文句をよく見かける。
これを見ていると,「わからないこと」が悪いように見える。
「わからないこと」は悪いのだろうか?
「わからないこと」によるデメリット
スッキリしない。
問題の答えが書けない。
点数が取れない。
「わからないこと」によるメリット
わからないことと向き合い,自分で「考える」という行為を行うことにより,思考力を鍛えられる。
自分で「思い出そうとする」という行為を行うことにより,記憶力を鍛えられる。
「思い返す」機会が増えることにより,自然に繰り返し学習が行える。
「興味をもつきっかけになる」。
まとめ
テストのときに「わからない」で時間が経過してしまうと,「点数につながらない」というデメリットがある。
しかし,学習過程においては,「なぜ?」という「わからない」状態から興味関心がスタートする。
ゆえに,「わからないこと」こそ学習のきっかけであるし,「わからない状態」こそ,「考える訓練」「記憶を引っ張り出す訓練」として有用である。
よくないのは「わからないこと」ではなく,「わからないこと」を悪いと思うことだ。
実際には,「わからない」という言葉を受け取る側に,時間的な余裕が無いとか,感情的な余裕が無いとか,つい反射的に返してしまうとか,…そういったことが多い。
私も意識していなければ,ついそういったことを行ってしまうことはいまだにある。
だからこそ,私もこれからも注意していき,何事も子どもたちの「力を養う」という方向にもっていきたいものだ。
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