どうにでもなれ効果

Posted on 2019年11月5日どうにでもなれ効果 はコメントを受け付けていません

「計画を立てて実践しましょう」

よく言われることだ。

だけど,計画を立てたがゆえに起こる,ネガティブな効果がある。

「どうにでもなれ効果」とは何か?

和訳すると「どうにでもなれ効果」とよぶものがある。

「The What-The-Hell Effect」だ。

勉強をするときに「1日に10ページ目標ですすめる!」という計画を立てたとする。

目標通りこなしていれば問題ないのだが,ある日「5ページしかすすまなかった」という日があったとする。

すると,「今回目標を達成できなかったから,明日からももう10ページやらなくてもいいか…」となってしまうことがある。

こういったものが「どうにでもなれ効果」だ。

もちろん全員が全員こうなるわけではないし,同じ人でも,場合によってなったりならなかったりすることがあるだろう。

「どうにでもなれ効果」に関する研究

トロント大学で,実際に実験が行われた。

ダイエット中とそうでない人を対象とし,「ピザを食べてもらってからクッキーも食べてもらう」という実験をした。

ピザにはトリックがあり,被験者の何人かに,普通量であるのに「ダイエット中の制限を超える大きさのピザだ」と偽って渡した。

結果,「ダイエット中の制限を超えるピザ」を食べたと思い込んだ人たちは,食べたクッキーの量が50%も多かったというもの。

一度計画したものについて「失敗した」と思い込んだ人たちは,その後も「さらに多くの量を食べた」という結果になったのだ。

「どうにでもなれ効果」が起こる場面

勉強,ダイエット,お金,…さまざまな場面で起こりうる。

「どうにでもなれ」というわけではないが,「高い買い物」をするときに,端数の金額がさほど気にならなくなるのもこれに似ているだろう。

だけど,「どうにでもなれ効果」があると知っているだけで,「今『どうにでもなれ効果』になっていないか?」と自分を客観的に見ることできるようになるわけだから,知っておいて損はないだろう。

「どうにでもなれ効果」を防ぐために

防ぐ必要が無い場面では,気にしなくても良いのだが,防ぐべき場面もあることと思う。

特に起きやすいのは以下の2つの場面だ。

1.短期目標

2.禁止目標

この2つの目標には「どうにでもなれ効果」が起きやすいから注意したい。

防ぐには,以下のような方法が提案できるだろう。

1.「短期目標」はなるべく「長期目標」へ。

2.「禁止目標」はなるべく「獲得目標」「代替手段」へ。

これに付け加えるならば,「目標は具体的ではなく抽象的であるほうが良い」といった研究もあるので,詳しく調べたいところだ。

また,目標自体を「最低目標」と「最高目標」の2段階設定し,目指すのは「最高目標」だが,そこまで届かなくても「最低目標」だけは上回るようにする…というように,目標自体に幅を持たせるのも効果的に活用できるだろう。

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