ずいぶん前に購入したのですが,ようやく読み終えた。
「日本の漢字」
著者は漢字ハカセこと笹原宏之先生。
タイトルから内容が想像しづらいと考えるので,以下もくじを。
1. 漢字を受け入れる -日本の多様な文字体系
2. 「圓」から「円」へ -俗字・国字の誕生
3. よく見る漢字
4. 文字から見える社会
5. 地名と漢字
6. 一人だけの文字
7. 日本人のための漢字とは
研究者らしいタイトルではあるものの,一般には「日本の漢字研究」といったほうが馴染むかもしれない。
多くは語らないけれど,この本を読んで「漢字の包容力」や「漢字の動体を観察する」といったことが自分の中に浸透していった感触がある。
今後,日常生活にありふれている「漢字」について,あらゆる場面で思考を巡らすことになるだろう期待がもてる,そんな本である。
何にせよ,「文字」には歴史があるものであり,地域や環境により変遷が異なり,社会生活で用いられるものであり,時代や環境に応じて変化していくものであり,等々…。
この一冊を読むだけで,漢字に対して寛容な態度で接することができるであろうとも感じる。
漢字に関する豆知識的な内容も多く,単に「雑学を学ぶ」という側面もあるかもしれない。
できれば子どもたちにも読んでほしい本だけれど,小学生にはまだ早いかなぁ…。
保護者様方に読んでいただき,子どもと漢字について考察する機会を持っていただくといった間接的な薦め方になるだろうか。
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