以前も書いた気もするが,新たな読者もいらっしゃるだろうと思い。
教科書改訂の注意点
2024年度に小学校の教科書改訂がある。
2020年度は十年ほどで行われる『大改訂』とよばれているものだったが,今回は『小改訂』といわれるもの。
私もまだ実物を見ていない立場なので単なる伝聞ではあるのだが,おおよそ社会の資料が最新のデータを参照したものになるとか,日本にある世界遺産の情報が追加されるとか,そういったこの数年で新しくなったことがメインかなと考えている。
(現行課程の教科書では,2020年に東京オリンピックが開かれたことになっていたりする。レアものか?)
切り替わり方
特に保護者の方で,高校のカリキュラムの切り替わり方のイメージが強い方には要注意かもしれない。
高校のカリキュラムは『○年度1年生から新指導要領』のように,1学年のみ新課程に切り替わり,その学年が進級するにしたがって切り替わる。
小学校では,同じ年度に全学年が一斉に切り替わる。
よって,在学中のどの学年においても『○年生までは旧教科書,△年生から新教科書』といった具合になる。
いくら『新編』だとか『新しい○○』だとかタイトルに書かれていても,それは『出版したときには新しかった』という意味であり,毎度『なんと主観に偏ったタイトルなのか』と思わされる。
旧教科書
新しい教科書のことばかり考えてしまうが,旧いものほど入手しにくくなるのも注意点。
教科書自体もそうだが,それをもとに制作された問題集もしかり。
新品は在庫限りになるのはもちろん。
問題集になると書き込んで使用されることも多いため,中古品でも良いものを手に入れられない,または高額出品されるなども見かける。
なお中学入試には低学年の内容も出題され,その割合も少ないわけではないので捨てずに取っておくことを私はオススメしている。
科目にもよるが,理科では顕著なのはもちろん,社会もそれなりに出題される。
余談
今後もこの傾向が続くかは作成側の意図によるので断言できないとことわっておくが。
過去の出題を参考にすれば,広大附属福山中の国語の入試では漢字の出題は小学範囲からに限っている。
これは『字』そのものだけでなく『読み』までが該当する。
たとえば『真似』という語であれば,『真』は読みの『ま』までが小学学習範囲,『似』は読みの『ね』は熟語としての特殊読みであり学習範囲外。
(そもそも『ま』『ね』と分割せず『真似』と揃ってはじめて『まね』と読む。)
ゆえに,他校で出題されることはあるが,広大附属福山中では出題されない。
『似非』を『えせ』と読むのと似た要領であるのだが,ふだん漢字への関心がない人だと気にならないかもしれない。
専門で指導する立場としてこういったことは見逃せないところである。