話題にするにはタイミングが遅いですが。
東北大 一般入試廃止へ移行
↑大学の公式資料。
10ページに以下の文言がある。
選抜試験を全て総合型選抜(現行AO入試)へ移行
AO入試とは何か──これを端的に誤解なく伝えるのは難しいであろうから私からの説明は割愛させていただくとして。
学生にとっても大学にとってもメリットがあり,うまく回していけるのであれば,この流れができてゆくのかなぁ。
繰り返すが,AO入試の位置づけがさまざまであるため誤解なく伝えるのが難しいなと思いながら書いているが,東北大学ではAO入学者の学業成績が良いことも有名。
↑記事。
当時、文部科学省はAO入試を高校時代の成績や面接などによって人物を評価する入試と位置づけていました。しかし、学力は必須です。
――AO入試は一部の私立大学が学生確保のために利用している面があり、学力低下の原因として、否定的にとらえる人が少なくありません。
東北大学のAO入試は当初から「学力重視のAO入試」を掲げていました。AO入試を始めた当初は高校も様子見の雰囲気でしたが、高校との対話を重視して入学後の学業成績のことなどを伝えてきて、東北大のAO入試に対する理解と信頼が進みました。
↑東北大学のAO入試の位置づけが端的に分かりやすい部分。
私が『AO入試を誤解なく伝えるのは難しい』と述べた理由でもある。
先入観をもって読まれたりするので。
また、20年度卒業者を対象にした調査では、「大学生活における学習の重要度」「大学で学んだことの総合満足度」などもAO入学者の方が高く、「自分の能力の評価」では、文章表現の能力、プレゼンテーション能力で、一般入試前期と差がついています。
AO入試で入る学生は、入学後もはつらつとしていて、意欲と熱意を持続しています。一生懸命に勉強して入った学生は入学した時点で一息つきますが、AO入学者はいよいよこれから大学生活が始まると考えます。その違いが一番大きいです。
AO入試で入る学生も、一般入試で入る学生も、能力にそれほど大きな違いはないと思いますが、大学での学びへの意欲の差がスタート時点で出ています。
東北大学の別の調査で、入試の成績と卒業時の成績に相関はないが、学部1年修了時と卒業時の成績は相関が強いという結果が出ています。AO入学者は初年次の導入部分の学びが優れているので、4年間を通してGPAが高いのだと思います。
↑AO入試入学者の意欲が高い理由の推測。
AO入試。
私立校による受験者確保の青田買いといった側面が目立つことも少なくないが,東北大学の事例のように学力重視のAO入試はアリかなぁと考えている。
昨今は,子ども・保護者側,学校側,それぞれについて,『いい学校』といった考え方ではなく『マッチする学校』といった考え方が増えつつあると考えているし,今後もその傾向は強まっていくのかなと思う。
(『マッチする』といった表現すらひとつの指標で受け取られた場合に人の優劣ととる人も出てくるのであろうが……。もう認知の歪みはどうしようもない。)
マッチするか否かは,子ども・保護者側,学校側のいずれか一方が何かすれば良いわけではなく,双方の尽力が必要だ。
これは大学にとどまらず中高についても同様であろう。
先日訪ねた叡智学園で現場の教員が繰り返し仰っていた『ミスマッチを避けたい』といった文言が思い出される。
叡智学園の場合は環境があまりに特殊であるため『ミスマッチ』が学力以外の面も含めていることは分かりやすいが,傍目には分からなくともどの学校にもカラーがあり,マッチするか否かということは考えねばならない。