はじめに結論を書いておくと,ご家庭の教育方針次第という曖昧な結論だ。
福山市近辺の一貫小学校
最近は小中一貫教育が推進されており,大都市圏では公立の小中一貫校も増えてきた。
私が宇治に住んでいたころに通っていた宇治小学校が,黄檗学園として小中一貫校になったのも記憶に新しい。
広島県内ではまだ少なく,福山市周辺ではまだ根付いていないが,メリットとデメリットを見極めるには,現在一貫教育をしている学校の様子を伺う必要もあるだろう。
千年中学校ではこれから小中一貫校を新設する予定があるらしいが,動向が気になるところだ。
さて,福山市の周辺にある一貫校のうち,小学校を含む一貫校にはどのようなところがあるだろう?
今まで子どもたちや保護者から聞いたことのある学校を挙げてみようと思う。
(五十音順ですが,知識不足ゆえ,漏れや間違いがあったら是非ご報告ください!)
暁の星小学校
幼稚園・保育園,小学校,中学校,高校,…と連携しているが,中学校と高校は女子校となっている。
英数学館小学校
小学校,中学校,高校,…と連携している。
ぎんがの郷小学校
小学校,中学校,高校,…と連携している。
広大附属三原小学校
幼稚園,小学校,中学校,…と連携している。高校が無いことに注意。
岡山まで足を延ばせばもっとあるのだが,私が詳しくないのでこのあたりまでの紹介にしておく。
一貫校なのだが,どこの学校の子たちも中学受験をする子たちが多い印象がある。
これは,中学受験を指導する塾で接していたからそう感じるだけだろうと思っていた。
しかし,学校の説明会を聞くと,そもそも出ていく子が多い学校もあるようだ。
一貫小学校のメリットとデメリット
メリット
私立の場合,公立校よりお金をいただいていることもあり,その分付加要素を付けることに力を注いでいる。
学校ごとに,教育に特色がある。
少なくとも受験に興味のある保護者がそろっているため,保護者内で学校や塾の情報が得られやすい。(ただし,保護者グループごとに情報に偏りがあったりすることに注意)
デメリット
公立とは教育課程が異なることがあるため,進度がズレることがある。
公立とは使用教材が異なることがあるため,教科書内容重視の広大附属福山中を受験する予定がある場合には,個人で教科書を入手するか,または塾で対策をしたりする必要があることに注意。
小学校に通っている6年間の間に,学校の方針が変わることがある。約束ごとをした先生がいなくなったりすると,約束の意味も失われることがある。
「男子で暁の星小学校から出ていく」場合は自然な流れだが,それ以外の場合,「先があるのに学校を出ていく」ようになってしまうことに注意。学校によっては,周りの子どもたちだけでなく先生からの風当たりが強くなる学校もあると相談を受けたことがある。
いずれにせよ,一貫の小学校へ通うならば,「ポジティブな理由」で選択するべきだろう。
「こういった目的があるから,あの学校へ入りたい」という思いをもつべきだ。
一貫小学校の子どもたち
通っている子たちは,公立小学校と比べてどうなのか?
少なくとも保護者に受験意識の強い方が多いため,必然的に受験に興味のある子が揃っているのは確かだ。
本人の学力はどうだろうか?
これは個人ごとによるだろう。
小学校に入るときに「本人が入りたい強い思いがある」という状況は少なく,あったとしても保護者の思いがそのまま反映されているだけの場合も多いだろう。
小学校(または幼稚園)に入るときの本人の状態が,将来に影響を及ぼす度合いは少ない。
小学校入学前の英才教育も,小学校高学年になるころにはほとんど効果が無くなってきて,本来遺伝してきた能力に落ち着くということも明らかになっている。
(もちろん英才教育の有無にかかわらず,賢くなる子は賢くなっていくということ。楽器やスポーツなどのように,学校教育だけで伸ばすのが難しいものはこの限りではない。)
だけど,小学校の6年間で培う能力,そして小学校高学年ごろの友達関係は,将来的な賢さや性格に大きく影響を及ぼすことは,近年の研究でもわかってきている。(フロリダ国際大学の研究など)
ゆえに,小学校高学年から中学,高校の間に「どのコミュニティに所属したいか?」という意味で学校選びをするのが正しいのだろう。
よく言われることであるが,「良い塾だから良い子が集まるのではなく,良い子が集まっている塾だから良い塾である」といったことと同じであるように思う。