アクセス数が多かったので,情報を求めている方の参考になればと思い,続きを。
テキトーに書いただけのものなので今後情報を整理する可能性もあります。
(類似の項目があるので,いくつかまとめられるはずです。)
とりあえずたたき台的なもの。
↓前回の内容。
「IQが20違う」に意味はあるのか?
・IQの定義
IQは知能指数となっているが,私は定義されていないといったほうが良いと考えている。
IQの数値は単なる検査(テスト)のスコアに過ぎないからだ。
たとえば「計算力」といったところで,小学2年生の九九のテストなのか,4ケタ×4ケタのかけ算なのか,カッコを含めた計算なのか,整数小数かけ算の混合なのか,連立方程式の計算なのか,内積の計算なのか──自身が平均点と比べてどの程度上回っているか・下回っているかはテストによって異なる。
また,全く同じテストであっても受けるタイミングによってはミスが増えたり減ったりする。
ゆえに「この検査(テスト)ではこれくらいのスコアが出せる」ということは分かるけれど,一度測定しただけのスコアについてあまりに厳密に扱うのはナンセンスである。
また,どういう意味あいで用いているか?によるし,もう個人個人によって「IQ」という語彙の使い方が異なるのだ。
古くは「精神年齢÷年齢×100」として「実年齢の何倍の精神年齢か」を示すものだった。
いまは偏差値型IQ(DIQ)を指すことが多い。
前述のホリングワースの論は100年前のものであり,おそらく古いほうのIQを指しているものと考えられる。
が,「精神年齢」の話題であれば「IQが違うから」という理由付けではなく「一方が幼いから」という理由のほうが妥当であろう。
よって,本来の「会話が成立しない理由付け」として使うのであれば,いま使われているIQを用いたほうが適切であろう。
・DIQに限定する
DIQの話に限定すると,今度はDIQは「検査で出したそのときのスコア」に過ぎない。
たとえば私はWAIS-IIIでは138,キャッテルでは147,CAMSでは165.9,KAISでは160.6,GAIAでは161である。
これでは私自身も検査によりIQに20差があることに。
よって,さらに絞って医療でも広く用いられるWAISに限定する。
(さらしぼ。)
・WAISに限定する
WAISに限定した場合,通常は標準偏差を15とした数値を扱われる。
が,単なる偏差値であるがゆえに,「標準偏差」を調整することができる。
たとえば私の138であるが,TV等でよく見られる標準偏差24に変換すれば,100+38*24/15として160.8となる。
ここでどちらを優先するか,検査結果の一次情報としての標準偏差15,マスメディア等でよく見られる標準偏差24。
この記事ではIQを高く見せかけたい人物など少数派であろうと考え,一次情報としての標準偏差15を使うことにしよう。
(これは個人的な見解です。)
・標準偏差15に限定する
さて,改めてWAISのIQ138である。
今度はWAISのIQ138についてさらに細かいIQ項目があり,全検査IQが138であるということに過ぎない。
実際には言語性IQ,動作性IQの2つが下位項目として存在する。
私の場合言語性IQが130,動作性IQが143である。
会話の場合,言語理解に重みがありそうだが,洞察,処理速度等なんでも関わってくるため,どちらかに重みをつけるかはなかなか考えられない。
単にIQと述べて「実は言語性IQのことでした」というのも何かおかしいだろう
よって,全検査IQに限定することにしよう。
・全検査IQに限定する
やっとここまで辿り着いた。
WAISの全検査IQ,標準偏差15に限定して,20の違いについて考えることにしよう。
……というわけで,ここまで突き詰めてゆかねば「20」という数は意味をなさないことがお分かりいただけただろうか。
万人が扱う言説として,ここまで意識せねばならぬことなど現実的ではないだろう。
そもそも「標準偏差が違うと20の意味合いも異なる」ということや,IQに関して標準偏差など考察する人のほうが(おそらく)少数派であることからも,意味の無い数であることが推察できる。
(この記事に関心を持っている方々を母集団とするならば,明らかに感心の偏りがあるので多数派になるかもしれないが……。)
ゆえに,このようなくどくどとした説明をしたところで仕方がないので,「IQが20違うと」の部分は「短い表現で理由付けできる」といった単なる目安であろう。
せいぜい「100も離れているわけではないし,1や2といった小さな差でもないよ」ということが分かりやすいといった程度。
それなりに「そうかも」と思える言説として広まったのだろう。
「IQが20違うと」に関する考察
IQといってもWAISの話。
全検査IQの下位項目に言語性IQと動作性IQの2つがあると前述したのだけれど。
さらに下位項目として「群指数」というものがある。
これは「言語理解」「知覚統合」「作動記憶」「処理速度」からなる。
これらのスコアからIQが算出される。
詳しい内容は調べたらたくさん出てくるため,この記事でド素人の私が述べることでもないだろう。
ただ,ネット上の情報はこの記事のように素人が書いているものも多く,同じワードでも意味が一定しない。ゆえに専門的に学んだ方が良い。
以下,「会話」に関わりそうな部分だけを考察。
「言語理解」
使用語彙に差があることが顕著であり,会話に影響することが推測できる。
高い方は語彙調整を,低い方は知的謙虚さを。
「知覚統合」
正直私にとってしっくりくる説明を見たことがないため,私自身が勉強した方が良い。
脳内に図をイメージしながら思考できるかに関わるのではないか,そしてこれが論理的な思考力の差になるのかと考えている。
脳内に図をイメージできる人は何も考えなくても描いているし,他者が描いていない場合があることに気づいていないどころか自身が図をイメージして考えていることにすら気付いていないことが多いと思う。
例えば「『キリンは動物』だけど,『動物はキリン』じゃない」というイメージ。
私の場合,高校数学の1年生内容「集合と論理」で学習した「ベン図」が自動的に見えており,それをもとに必要十分を判断したりしている。
イメージといってもハッキリ絵が見えているわけではないし,感覚的なものであり説明できるものでもない。
私もメタ認知しようとしなければそんなことを考えもしなかった。
「作動記憶」
情報を一時的に保管しておける容量に関わるため,口を挟まず傾聴しつつ情報をまとめてゆけるかに関わり,これも会話に影響することが推測できる。
これが高くない場合,情報量が多くなると正しく読めなくなったりするため,どうしても被せて話してしまったり,「最初の言葉」または「最後の言葉」「いちばん印象に残った言葉」だけで情報を読み取りやすくなりそうに思う。
相手の作動記憶がどの程度か,たとえ会話を続けていても推し量るのは難しい。
ゆえに差があると会話がズレやすくなるのではないか。
「処理速度」
情報を高速で処理することはあまり関わらないように思えるが,「同じものごとを聞いてどこまで思考が及んだか」に差があると考えている。
すなわち瞬時に「思い至る」ところに差がある。
ただ,「処理速度」だけではなく他の項目も関わってくるのだろうなぁとは思う。
さて,最後の「処理速度」の項目で述べた通り,他の項目の数値との相乗効果が大きくなるため,これを加味したものとして扱う必要がある。
それがIQである。
すなわち,「これら群指数複数項目の高低やバランス」という意味でIQを扱うならば,会話のズレに関わるひとつの要因といえるだろうなぁと,そんな結論。
ただ,上述の通り「IQ」とは「全検査IQ」のことである。
それを算出するのに使用した群指数というパラメータの高低やバランスまで関わって来るため,単なる目安として扱うものである。
この項目,はじめはこんなまとめではなかったのだが,書いていたらキレイなまとめに行きついた。
めでたしめでたし。
(もちろんIQ以外の要素もとても大切で,その大切な要素のうち数値化できるもののひとつがIQという意です。)
総括的なものはまた今度。
もうちょっとだけ続くんじゃよ。
前回同様,ノリでつらつらと書いてしまったのだけれど,今回の記事に関して何かご意見があればご遠慮なくいただければと思います。
(忙しくなければ返信もできるかもしれませんが,できない場合もございますのでご了承くださいませ。)