結論から述べておくと,講座に通わせて得られるいちばんの効能は「通わせていないことに対する『不安の払拭』」程度。安心をお金と時間で買っている…ということか。
適性検査のある中学校
三原市周辺地域にも,「適性検査」を課している中学校がいくつかある。
広島県立広島中(「県中」だとか「県広」といった略称をよく聞く),叡智学園中などだ。
福山市内で活動していたときには,福山市立福山中(「市立(いちりつ)」といった略称をよく聞く)を受験する子が多かった。
いずれも人気のある学校だ。
適性検査の内容
これは以前記事に書いたので,詳しい内容は省く。
要点だけを述べると,
「問題の趣向や目指すところはスバラシイ」
「出題内容によって同じ子でも点数が大きくブレるため,点数を付けるといった観点まで考えれば,適切な評価軸とは思えない」
といったところ。
適性検査の対策
はっきり言って,「こういった対策をしておけば手堅く点数が取れるよ」といったものは無い。
せいぜい,「一般教養」「分析力」「思考力」「表現力」があるほど解きやすくはなるよ…といったことは言えるけれど,それらの能力が高いからといって,毎回同じような点数を出せるようにすることは難しい。
適性検査向けの教材もたくさんあるが,「バッチリ同じ趣向の問題」が出れば「意味があった!」と言えるが,過去問を見てみれば分かるとおり,出題の可能性は星の数ほど考えられるものだ…そりゃ当たれば良いけれども…。
前述の「思考力」などを鍛える目的でやるといったかたちになるだろう。
そして,こういった能力は目に見えるかたちで評価するのは難しいから,効果が実感しづらい能力でもある。
適性検査対策講座
塾によっては講座を用意しているところもある。
需要があるので。
「意味があるか?」と言われたら,「合格した人」は「意味があった!」と言う子がいるだろうし,「合格しなかった人」は「意味があった?」と言う子がいるだろう…。
受験は合否の結果論で効果を語ることになるのが常だから,こういった評価からは逃れられないし,それ以外の部分は実体験した本人と保護者,そして講師にしか分からない。
(「合格はしなかったけれど,今後に大きく影響のある,実りのある体験でした!」といったことを言っていただけることも多いが,これもご本人たちにしか分からないことだ…。)
だけど,先述したとおり,適性検査対策講座の意味は,「通わせなくて大丈夫かな?」という保護者の需要にこたえるのがいちばんの目的だ。
通わせていれば,とりあえずは安心ができるので。
もちろん担当講師は精一杯のことをやるし,怠けているわけではないだろう。
だけど,「これをしたら手堅くいける!」といったものは無いし,できることは「こういった形式の問題に慣れよう!」「文章を書けるようにしよう!」というところまでだ。
分析力や思考力を鍛えるならば,「頭を柔らかくする」(…ホントか?)教材などを使う場合もあるかもしれない。
適性検査に対するともや塾のスタンス
授業は行わず,「添削」と「アドバイス」のみを行う。
これだけだ。
問題を解くことならば,自習室で好きな時間にできる。
安心のために時間をムダにする必要は無いと考えている。
「本科」にオプションをどんどんプラスしていくかたちをとっている塾も多いが,当塾では「ティーチング」だけでなく「コーチング」も含めてが指導だと考えている。
もちろん,今後「適性検査」のスタイルが変わってくることもあるかもしれない。
変わってきたら,またそれに合わせてこちらのスタンスも変えていくだけのことだ。