便利な地図といえば,長い間GoogleMapであったものだが…。
国土地理院
国土交通省に置かれている機関だ。
教育分野でも,社会で日本地理を扱う際に学習する。
中でも「地形図の発行元である」ということが大きく,日本の地名の正式名称らしいものは,国土地理院の地図に由来する。
私たちの世代が子どものころ学習したのは,「神通川」の読みが「じんずうがわ」となっていたことだ。
これは国土地理院が「じんずうがわ」と公開していたため。
現在は「じんづうがわ」に修正されており,現状出回っている地図はこれをもとにしているはずだ。
(ふつう,「通(つう)」に濁点がつくと「通(づう)」となることは想像に難くないはずであるし,神通川は「公害」の単元で確実に学習するので,印象に残っている人も多いはずだが…。)
また,国土地理院が定めている名称と地域での呼称が異なる地域も存在する。
例えば,山口県の「周防大島」などがそうだ。
これは国土地理院の地図では「屋代島」となっているが,現地の方は「周防大島」を用いるのが一般的だそう。
地理院地図
画面左上の小さい地図をクリック(タップ)するとメニューが表示される。
なんと標準の地図が5種類!
「標準地図」については地図記号が大量に書き込んであって地図記号の勉強に最適!
そして「写真」についてはGoogleMapよりも拡大率ごとの解像度が美しい!
これを見ているだけで楽しいし,学びがたくさんある!
そして…下のほうには「年代別の写真」「近年の災害」などの細かい情報も!
印刷や編集をする場合,公開範囲についてはガイドラインに沿って利用する必要があるが,「白地図」としての利用もでき,タイヘンありがたい!
子どもも地理の学習や調べものをするのにちょうど良いのでは!
(ちなみに私が最初に確認したのは,「沖ノ鳥島」「南鳥島」を拡大し,「沖ノ鳥島周辺にはこういった地図記号の示す施設があるのか…」ということだ。南鳥島が荒地だらけでフフッとしてしまった。)
GoogleMapはストリートビューなど便利な機能が多いため,いまだふだん使いで利用することは多い。
が,教育現場や公共の地図利用では,地理院地図のほうが使いやすい場面もどんどん出てくるだろうなぁと考える。
要は「何に活用するか」により利用するものを選択できる人にとっては,選択肢が増えるということ。
いろいろな組織で,デジタルに弱い方がトップに立ち,技術の進歩を停滞・退化させてしまう場面をよく聞いてきた。
が,今回の地理院地図については,組織として技術者を上手く使い,技術者はその要望に適切に応え,技術者の無駄遣いをしていないことに好感が持てるできごとだった。
(余談。ネットスラングでは「スゴイ」を「すごe」と表現することが多く,タイトルの選択も頭をよぎったのだが,塾ブログとして落ち着いて「スゴイ」を選択。いろいろな表現が浮かびすぎると,日常会話で詰まってしまうこともあるから困る。)