いま,私の中で関心の高まっている分野である。
『MBTIへのいざない』
副題は『ユングの「タイプ論」の日常への応用』。
MBTIとはひとことで言えば「性格検査」のようなもの。
他者に診断してもらうものではなく,自身で概要を知って自認してゆくものであるという性質をもっている。
今年になって『「16personalities」と「MBTI」は全く違うものである』との情報を目にする機会があり,改めて学ぶ機会を得たいと思っていたもの。
ネットで調べても情報が混在しており,どの情報を軸にすべきかが難しいと感じていたもの。
そんな折,高IQ団体メンサのメンバーである高原先生に巡り合うことができた。
高原先生はMBTI認定ユーザーであったため,セッションと呼ばれる講義のようなものを受け,そして参考になる書籍を紹介していただいた。
高原先生とのやり取り,そして書籍を読むことにより,「どのような性格タイプがあるのか」について概要を知り,自身の中にわずかながらでも沁みこませてゆく機会が得られたのはタイヘンありがたかった。
「性格」について扱うものであるが,ネット上では「占い」や「血液型診断」のような扱いを受けているものも多々見受けられる。
私は,このような単なるエンターテイメントとして受け止めず,「自身の生きる指針」や「多様性の受容」,そして「子どもたちの教育」に活かしてゆきたいなと考えている。
そのような意識で読んだものであるが,入門書としてとても分かりやすかった。
また,書籍の最後に扱い方のフォローまでしっかり書かれていたので最後まで好感のもてる本となった。
正直,学校の『道徳』や『倫理』等の科目で扱ってほしい内容であるとまで思うし,こと教育に携わる人たちには手に取っていただきたい本である。
MBTIに関するものごとを学んでいると,「快不快は人それぞれである」という多様性について寛容になることができる。
「自分がされて嬉しいことをしなさい」だとか「自分がイヤなことは人にするな」という文言がいかに詭弁であるのかもよく実感する。
まだ日本語をあまり知らない上,主観・客観等の区別のつかぬ乳幼児相手には仕方がない場面もあるのだろうけれど……。