問い.
300円を持って買い物に行き,170円のパンを買いました。
おつりはいくらでしょう。
解答
これは,4年ほど前にネット上で話題になったもの。
久しぶりに見かけたので,このブログでも話題にさせてもらおう。
この問いに対する解答は複数考えられるから,以下にその解答をいくつか書く。
解答.1
300-170=130
∴ 130円
解答.2
170円の品物を買うときに300円渡すことは無いから,100円玉2枚だけを使い,
200-170=30
∴ 30円
解答.3
100円玉3枚とは書いていないから,300円の内訳に50円玉や10円玉を組み合わせて170円を作れる可能性がある。
ちょうど払える組み合わせで支払えば,
∴ 0円
解答.4
300円は電子マネーだったと仮定すれば,
∴ 0円
解答.5
税抜170円のパンは,消費税を軽減税率8%として計算すると,
170×1.08=183.6
端数切り捨てと仮定すれば,
∴ 117円
解答.6
解答.5の処理を,端数切り上げと仮定すれば,
∴ 116円
解答.7
イートインを利用するため,消費税10%が適用され,
170×1.1=187
∴ 113円
まとめ
解答は「出題者の意向による」といったところになるだろう。
「思い込みをせず,題意を正しく読み取る」といったことを気にしていれば,こういった可能性に気づくことができる。
だけど,ふだんの授業などでいちいちツッコミを入れていると,場合によっては「めんどくさい子」として扱われてしまいかねないこともあり,「見つけても,大人よりも大人の対応をする」といったことが求められる状況もある。
まぁ,学校の先生も一人の人間であり,神では無いのだ…。
「今それに言及すべきかどうか…」についてはその場の雰囲気で判断したほうが良さそう。
算数の問題では,「この書き方では題意が正しく伝わらないのでは…」と思うことがちょくちょくある。
だけど,「題意を伝えるために必要なもの」が膨大になると,今度は「文章が長すぎて,正しく読み取れる小学生が少ない」といった状況になってしまい,これでは算数の問題として適切とはいえなくなってしまう。
私も問題の作成をするときにはこういった部分を気にはするものの,作成者自身がチェックしてもなかなか見つからないものもある。
ふだんの授業プリントでは,「正しさ」より「分かりやすさ」を重視するため,「テストでは適切ではないが,授業ではこちらのほうが良いだろう」といったことを優先する。
テストについては,「文面のみで題意が伝わるように,質問の必要が無いように,正しく伝わる文章にする」ことを優先する。
余談
解答が1つになるよう問題を作成し直してみよう。
「 170円のパンを買うときに,300円を支払いました。おつりはいくらでしょう。ただし,消費税は考えないものとします。 」
「税込」にすればもうちょっとスッキリするかなぁ…と思ったものの,そうなると今度は「軽減税率は~」が必要になるから同じか…。
いずれにせよ,こういったものを見つけたときに,「思考練習の機会にでもするか…」とばかりに楽しんでみることが大切だ。
まだまだ別解はあるので,考えてみよう。